2005年08月02日

「高機能自閉症」という”個性”(その5)問題行動への対処の方向性がわかったのは、収穫でした。

(前日より続いています)

私は最初は自分の子供に「障碍がある」という診断がついたことは正直少しショックでした。
でも、時間が経つにつれ、「ああ、この子の落ち着きのなさや対人関係の問題は、自分の育て方のせいではなかったのだ」とわかりかえって安心したのです。
いや、私も「これは育て方のせいではなく、この子の生まれつきのものだ」ということはわかっていました。
我が家がそんなに問題がある環境だとは思えなかったし、何か大きなストレスを抱えて問題行動が出ているというようにも見えなかったし、生まれた直後から長男は「よく動きすぎる子」だったからです。(他にこんなに動く子を、私は見たことがありません。)

でも周囲からはそう(生まれつき落ち着きがないというように)見てもらえないことのほうが多いように感じていたので…「高機能自閉症」という診断名がついたことで「私のせいではない」というお墨付きをもらったようでほっとしたのです。
#もちろん、問題のある性格傾向の全てが高機能自閉症のせいではないのですけれども。

それに、今までの「問題行動」の理由がわかったのは大きな収穫でした。
対応の仕方についても今までとは違う方向でアプローチができるようになって、私も以前よりはストレスが減りました。
とはいえ、いわゆる「高機能自閉症児向けの対応」をしても、長男には当てはまらない部分も多かったので、原因がわかれば対処できるというものでもないのだ…とは思いましたが。
それでも今までの「いったいいつになったらこの子は落ち着くのか、いったいなぜこの子はこうなのか」という先の見えない不安に、ひと筋の光が見えたような気がしたのです。

診断を受けたのと、ちょうど長男が落ち着いてくる時期と重なったせいもあるのでしょう、前ほどは人に手を出したり、見境なくあっちこっち行ってしまったり、ということが減ってきたので、最近は以前ほど私が怒ってしまうことも少なくなりました。



高機能自閉症というのは比較的新しい概念なので、IQレベルが普通の場合は、今まではただ「わがままで、空気の読めない人」というように思われていただけなのではないかと思います。自閉症は「自閉症スペクトラム」とも言われるのですが、自閉症と確定できる場合を「黒」、そうでないと確定できる場合を「白」とすると、その中間のグレーの部分にあたる幅がかなり大きいということです。
グレーゾーンの高機能自閉症の人は、一般社会にまぎれて、しかし人とは違う苦労をしつつ、誤解を受けながら暮らしている人が多いのではないかと思います。
長男は高機能自閉症の中では「積極・奇異群」と言われる、人との関わりを好むタイプなのですが(でも一方的なので、うまく関係を持てない)、人と関わりたがらないタイプもあります。表面上は全然違うように見えますが、根っこの部分はどこか似ているのです。

高機能であるかそうでないかに関わらず、自閉症の人に共通しているのは、「ある物事を感じる感覚が”普通の人(大多数の人、と言うべきでしょうか)”とは違う部分がある」ということなのではないかと思います。
”普通の人”が見ている、感じているのとは違う方向から物事が見える、とでも言うのでしょうか。
それがどういう方向からなのかは、その人によって違うわけですが…。
極端に触られることを嫌がるとか、ある色だけを嫌がるとか、文字や数字にすごく執着を示すなどなどそれはさまざまな形で出てきますが、その根本にあるのは「感じ方の違い」なのではないかと思います。
コミュニケーションがうまくとれないのも、言葉のもつ曖昧さの理解とか、感情の動きが「普通の人」とはかなり違うからなのでしょう。

私も長男が診断を受けてから、いろいろ考えてみると…そういえば知り合いの中にも、それに近いと思われる人が何人もいることに気付きました。実際のところ、そんなに稀な障碍ではないようで、200人に一人くらいの割合でいるのだそうです。(自閉的傾向の人を含めるともっといるのではないかと言われています。)

長男は今まで何度も書いているように「生まれながらのオタク」っぽい面がかなり多いのですが、それは高機能自閉症の特徴と重なる部分がかなり多いのです。
電車への異常なまでのこだわり(しかもパンタグラフ、連結器など細部をチェックするのが好き)、好きになったものの反復の多さ、やたらと難しい理屈をこねたがる、人の話をあんまり聞かないで自分の言いたいことばかりしゃべる…
自閉症の特徴は「特定のものへのこだわりが強く、反復を好む」ということがあるのですが、それはつまり…「おたく」ってことですよね(笑)。
「天才」と言われているような偉人にも、人との関わり方がおかしく、やたらとひとつのことにこだわる…という人がいますよね。普通の人とは違う方向性のずば抜けた才能を持つ人を「天才」と呼ぶわけですが、発達のバランスが悪いという点では「天才」というのはある意味では「障碍」であるのかもしれません。
普通の人が得ている部分を捨てているからこその力とでも言いましょうか。そういう意味では「障碍」は「才能」であり「個性」であるのだ…と私は思っています。

そうそう、実は電車好きというのも自閉症には多い「趣味」なんだそうです(笑)。
なんでなんだろう?とダンナと考えてみたのですが(ダンナは電車にはあまり興味がありませんが)、同じような車両がいくつもつながっていたり、ガタンゴトンという規則的な音がするのがいいのではないか…と。
実際のところはどうなんでしょうね。
(次回に続きます)
posted by はなずきん at 01:44 | Comment(0) | 妊娠、出産、育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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