2005年07月30日

「高機能自閉症」という”個性”(その2)長男の落ち着きのないっぷりと、「高機能自閉症」という診断を受けるまで。

(前日より続いています)

そしてもちろんというか、長男は落ち着きもありませんでした。
じっとしているのがとにかく嫌いで、おとなしくさせなければいけないような場所(医者とか食事とか)に連れて行くのは本当に大変でした。

よその子を見ていると、同年齢でも静かにしている…とまではいかなくても、いちおうしばらくは座っていたり、立っていてもお母さんの側にいたりする子が多いのですが、長男は部屋の中をかけずり回り、「キャー」という奇声を出し、いじってはいけないものをいじりまくり…ベビーカーに乗せればすぐ立ってガタガタするし、買物ひとつも落ち着いてできないようなありさまでした。

これだけ動き回るので、寝た時はこってりと寝て長時間起きないのだけは幸いでした。いつも遊ばせるだけ遊ばせてから買物に連れていって、寝るのを見計らってなんとか買物したものです。

児童館でやっている、幼児向けのイベントなどにも連れていったことはあるのですが、歌を歌ったり手遊びしたり…というような「座ってやる」活動は長男は全く興味がないらしく、毎回脱走を図るありさまなので、そのうち連れて行くこと自体やめてしまいました。


その代わりというか、自分の好きなことをやっている時だけはおとなしくしていたのです。
何度も書いている通り、長男は1歳半頃から電車に興味を示していて、電車のおもちゃや本を与えておけば、ある程度の時間はおとなしくしていてくれました。
私はカバンにいつも電車のおもちゃと、「京王の本」(京王電鉄が配っている電車の解説本。オトナ向けなのに喜んで見ていました)を入れて持ち歩いていたものです。

今でこそべらべらしゃべる長男ですが、ことばの発達は遅く、一般的に意味のある単語をしゃべると言われる1歳半の時点では「アチチチ」「イテテテ」程度の言葉しか言えず、2語文(ワンワン ネンネ など主語と述語がある文章)をしゃべるはずの2歳の頃に、やっとぽつぽつと単語が出てきたという感じでした。

でも、大人の言うことは同じ年代の子ども並に理解していたようなので、様子を見てはいたのですが…。
実はこの時点でも、言葉の遅れと落ち着きのなさが気になっていたので、幼児の精神発達の専門家に見てもらっていたのですが、単にことば(発語)の発達が遅いだけとみなされていたようです。

でも、この「言葉の遅れ」というのは自閉症の重要なキーワードだったようで、私もそうと知っていたらもう少し早く気付いたのではないかと思うのです。なぜ専門家からそのようなアドバイスがなかったのか、と残念に思いました。
(※言葉が遅れる=自閉症、ではありません、念のため。)

長男は2歳半頃からよくしゃべるようになったのですが、それからの言葉の発達はめざましいものでした。
長男のしゃべり方には特有のものがあって、やや回りくどく、年齢に比較するとかなり難しい単語を使いたがるのですが、これも高機能自閉症の特徴なのだそうです。
今も4歳という年齢なのに「ちなみに」とか「若干だけど」などという単語を好んで使います。(正確に単語の意味を把握しているかどうかは怪しいのですが…。あ、この言葉の元ネタはタモリ倶楽部のようです(笑))


動きが激しいのや、落ち着きがないのはまあ、親が苦労や我慢すれば済むことなのですが…よその子に手を出すのだけは本当に困りました。
しかも長男は、人に接すること自体はとても好きなのです。初対面の人にもニコニコと近づいていって話し掛けたり、遊ぼうとしたり。で、見ていると突然突き飛ばしたり!
全く一時も油断がならないのです。

もちろん近所の子供には嫌われ、長男が出ていくだけで
「あっ、○○が来た!逃げなきゃ!」
なんて言われてたものです。
でもにこにこと愛想が良いのでオトナ受けは良く、長男と一緒に子供を遊ばせたことのない大人からは
「元気でかわいくていい子じゃないの〜」
と言われるくらいでした。

私は外に出ること自体うんざりしていたのですが、かといってこれだけ動く子を家の中に閉じ込めておくわけにもいかず…。
しかし年々力もついてきて、2歳を過ぎた頃に本当に友達に怪我をさせかねない事態が頻発しはじめたので、困った私は近くの保育園(園庭開放でよくお世話になっていました)に相談に行きました。

すると、保育園に勤務している看護士さん(ふだんの仕事は、保育士さんと同様子供のお世話なのですが…)が話を聞いてくださって、
「療育センターに行ってみてはどうですか?」
と勧められました。
療育センターというのは、障碍児のケアを中心とする施設です。

私はこの時点では、長男に障碍があるとはほとんど考えていませんでしたが、(もしかしたらADHD(注意欠陥多動性障害)かもしれない、とは思っていましたが、長男はことばの発達が遅い以外には、知能面での問題はないように思えたからです)看護士さんが長男のような子は専門の機関で見てもらったら落ち着くかも…とおっしゃっていたので、少しでも今の状態が改善できるなら、と思って療育センターに通うことにしました。


療育センターでは最初に医師の診察を受けて、検査(知能検査のようなもの)をすることを勧められました。
この時点ではどういう障碍の疑いがあるのかとか、何を確かめる検査かなどということは全く聞かされていなかったのですが、医者のほうは私から話を聞いて長男の様子を見ただけで、高機能自閉症児であるという予想はついていたようで、それを確かめるための検査を勧められたというわけです。

私はこの時点では「長男に障碍がある」とは考えていなくて、てっきり療育センターでは長男の「落ち着きのなさ」(私はこれは性格の範疇かと思っていました)を改善するための訓練…というようなものをやっていくのかな、と思っていたので、あれ?とは思いましたが、とりあえず検査しないと訓練もできないということなので、検査を受けることにしました。

それから数ヶ月、週に1回ずつ療育センターに通って検査を続けました。
長男はもちろんこういう「じっと座って言われたとおりの何かをやる」ということがとても苦手なので、検査はなかなか進みませんでした。
私は何を確認するために検査をしているのかがわからなかったので、いったいこの検査はいつまで続くのか…これが長男の「落ち着きのなさの改善」にいったいどうつながるのか…と少しいらだちを感じたこともありましたが、料金がタダということもあったし(笑)、とりあえず結果が出るまでは…と通い続けました。

そして数ヵ月後に診察があり、検査の結果を教えてもらいました。
そのとき私は初めて「高機能自閉症」という診断名を知ったのです。

私のネットの知り合いで、やはり自閉症のお子さんをお持ちで、そのことについて書いていらっしゃる方がいたので、自閉症についてはある程度の知識は持っていたつもりでしたが、高機能自閉症という言葉は初耳でした。
長男は確かに「ちょっと普通と違う部分がある」とは思ってはいましたが、自閉症だとはそれまでこれっぽっちも考えていなかったのです。

(次回へ続きます)
posted by はなずきん at 06:36 | Comment(0) | 妊娠、出産、育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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