2017年12月09日

母と子の剣道日誌(256)全日本剣道選手権に行ってきました!(その9)決勝戦…勝負は開始直後に決していた。

母と子の剣道日誌(255)全日本剣道選手権に行ってきました!(その7)準決勝、西村対畠中。西村選手の「計算」 より続いています。

さて、次はいよいよ、決勝戦
内村選手(東京) 対 西村選手(熊本) です。

まずは、今回のふたりの戦績です。(敬称略)

≪内村≫
一回戦   コ− 岡田(岡山)
二回戦  延ド− 大石(大阪)
三回戦  メコ− 中村(愛知)
準々決勝 ココ−メ前田(大阪)
準決勝  メコ−メ林田(福井)

≪西村≫
一回戦  延メ− 海老原(茨城)
二回戦  延コ− 志村(長野)
三回戦  延コ− 山本(千葉)
準々決勝 ココ− 山本(広島)
準決勝   コ− 畠中(東京)


しかし西村選手は、意外なことに、三回戦までは全部延長の末の勝利だったのですね。二本勝ちしたのは準々決勝だけで、あとはすべて時間いっぱい(プラス、延長分)戦っていたわけです。
そこそこ体力も消耗していたのではないかと思いますが、決勝戦でもそんな印象は受けませんでした。
しかし、一本も取られてはいないのですね。

いっぽう、内村選手は3回戦以降は二本勝ち。
そのうち2回は、一本取られてからの二本取っての逆転勝利です。

そして内村選手は、面、小手、胴とすべての技を取っているのに対して、西村選手はほぼ小手だけで勝ち進んでいます。
この試合結果だけを見ると、内村選手のほうが勝ち進むにつれて、調子を上げてきているように思えました。


試合開始前の様子を、テレビで見ていた印象ですが…
内村選手は、非常に集中していたようで、終始かなり厳しい表情をしていました。
いっぽう、西村選手は、防具をつける前までは笑顔が見えました。手拭いを巻いた途端に、勝負をする厳しい顔になりましたが…。


さて、…いよいよ、決勝戦の開始です。

初戦と、決勝戦に出た人だけができる…
「正面に礼」(カッコイイっ!)
が終わり、ふたりは開始線へと進みました。

「はじめ!」の声とともに、蹲踞から二人が立ち上がった直後…
西村選手は素早く一足一刀の間合いに入り、竹刀を右斜め上に振り上げました。


あ、この「右斜め上に振り上げる」動き、準決勝でもやってましたね!



私は準決勝のブログでは「この動きで、何をしようとしたのかわからない」と書きましたが…。
面や小手を打つような動きではなさそうですが、これは相手の手元を動かすためのフェイントのアクションなのかもしれません。


その西村選手に向かって、内村選手は面を打とうとします。
西村選手は、右斜め上に振り上げた竹刀を左に回し、そこから小手を打ってきました!

これは、見事なタイミングで内村選手の小手にヒットしました!
3人の審判は躊躇なく、白(西村選手)の旗を上げました。
試合開始直後の一本です!

スローで見ると、拳に当たっているようには見えるのですが…
タイミング的にも、打った勢いも、見事な小手と言っていいかと思いました。


結果論ですが、この時に、試合の勝敗はもう決していたように思います

この開始直後の小手で、内村選手は動揺があったのではないでしょうか。
この後から試合が終わるまで、内村選手には思い切った打ちがほとんど見られなかったのです。

002.JPG


さて…一本が入ったその直後、西村選手はまた「小手」を打ちに行きました。
が、これは入りませんでした。

そのすぐ後に、西村選手は、左肩に竹刀を「担ぐ」動作をします。
内村選手は、”また小手か!”と判断したのか、剣先を右に開いて小手を返そうとしたように見えました。
しかし、西村選手は「面」を打ってきました!

この面は面金に当たって入りませんでしたが…かなり惜しい「面」ではあったのです。
私はビデオで見ていて、この時点で、”もはや、西村選手が試合の流れを握っている”というのを確信したのです。
内村選手は、この試合では終始、西村選手の動きに翻弄されていたようでした。



この後、しばらく一進一退の攻防が続きますが…
西村選手の竹刀の動きは、やや挑発的に感じられます。
裏から表から、何度も内村選手の竹刀を強く叩いたりしていました。

そして西村選手が前に出ている時は「追っている感じ」
西村選手が後ろに下がっている時は「かわしている感じ」を受けるのです。
内村選手のほうが、心理的にやや追い詰められているような…


そして、西村選手は、今度は竹刀を正面に引き上げてから、小手を打ちました!
(これも、準決勝でやってましたね!)
この小手は内村選手の拳に当たっていましたが、勢いからして、私には「小手が入っている」と言ってもいいくらいの当たりに見えましたが…一本にはなりませんでした。

内村選手は、その小手を打たれた直後に面を打っていましたが、入りませんでした。



この後も、西村選手は積極的に攻めていきます。
いっぽう、内村選手は、これといった打突をほとんど打てていませんでした。

「西村選手が打つのに合わせて、内村選手が打っている」
という感じの「後出し」的な打突が多かったようです。
この試合の内村選手には、準決勝までの勢いが感じられませんでした。


試合時間は残り4分。

お互いあまりこれといった打突は出さず、膠着していた時ですが…

西村選手が、小手を打って、鍔迫り合いになりました。
そこから二人は一足一刀の間合いに離れ…

内村選手が一歩後ろに下がった時に、西村選手がぐっと一足一刀の間合いに入り込み…
剣先をすっと下げて、裏の下から素早く小手を打ち、体当たりをしました!

これは準決勝でも打っていた「下から小手」と同じですね。
この技、とにかく速いです!


審判は躊躇なく3人、スパッと白旗を上げました!!
西村選手の一本です!


これで西村選手が2本取ったので、試合は終了となりました。



ここは、スローでは全く見えない角度で映っていたのではっきりわかりませんでしたが、私が見た限りでは、きれいに小手の筒に入っていたように見えました。
これは”文句なしの見事な小手”といっていいでしょう。
そして、内村選手は、この小手に対してほとんど何の反応もできていませんでした。

(しかし、NHKの放映でのこの部分のリプレイは、全く内村選手の小手が見えない角度の映像だったので、スローで流しても意味がないのでは…と思ってしまいました。)



私は、会場にいた時には「内村選手に勝って欲しい」と思って見ていたので、あまり冷静に試合運びを見ることができていなかったのですが…
(それに、動きが早すぎて、何をしているのかもその場ではよくわからなかったのですが(笑))
この試合をビデオでじっくりと見直したら、なるほど、西村選手が勝った…ということに、非常に納得できました。

こうして試合を振り返ると、最初の西村選手の小手で、もう試合の流れができてしまっていた…
というのが、よくわかったからです。



結局、試合時間中ずっと、内村選手は、ほとんど打突らしい打突を出せていなかったのです。ふたりの攻防の様子を見ていても、常に内村選手のほうが押されている感じに見えます。
西村選手は落ち着いて相手の動きをよく見ているようで、下がっている時も「戦略的に下がっている」ようでした。


心情的にはベテランの内村選手に優勝してほしかった私ですが、この決勝戦は、見事な西村選手の勝利と言っていいでしょう。

技のキレも素晴らしいのですが、試合の運び方、技の出し方で、心理的に相手を圧していましたね。


剣道の勝敗は、力や技だけでは決まらない…
最終的には精神力がものをいうのだなあ、とつくづく感じました。


準決勝での「反則狙い」や「時間稼ぎ」などの戦いぶりがひっかかって、会場にいた時は、優勝した西村選手を素直に称える気になれなかった私ですが…
こうしてビデオで見直してみると、決勝戦は実に堂々たる試合だったと思います。

全日本トップに二たび輝いた、西村選手の「計算」と「精神力」に感服しました。


(まだ、続きます!)

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posted by はなずきん at 10:46 | Comment(0) | 親子で剣道4剣友会編(二段まで) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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