稽古の終わりには整列して、黙想をします。
私の所属する会は、ふだん小学校の体育館で稽古をしているのですが、ここはいわゆる「道場」のつくりをしているところなので
”道場でやる黙想って、いいなあ…”
と思いながらやっていました。
ただ、ここはキリスト教系の大学の道場なので、神棚がないのだけが残念なのですが。
(正面には、日の丸が掲げてありました)
相手をしていただいた先生や生徒の方にお礼を言って、片づけをして、着替えをして…
着替えをする体育館のほうに行ったら、バスケ部の大学生がひとりで、黙々と練習をしていました。
ひとりで自主練習か、偉いぞ!青春だね!と心の中でエールを送り…
私もけっこう、青春かもしれないけどね!と思いました(笑)
稽古が終わって…
ああ、なんだかとても楽しかったな、と思いました。
来る前は、違う会の稽古にひとりで混じって大丈夫だろうか?
失礼なことをしてしまわないか、ついていけるだろうか、などといろいろ心配でしたが…
すでに何度も来た会なので、なじみのある方もけっこういらっしゃったし、稽古は真剣ですが厳しい空気ではなく、当会の大人稽古の雰囲気とそんなに違いはありませんでした。
ただ、体力をつけるような要素の稽古はほとんどなかったので、ずっとここの稽古のみしかしていないと、脚力や持久力は落ちてしまいそうな気はしましたが。
ところで…
私はほとんど初心者の頃から、当会のN先生に剣道の基本を刷り込まれてきたと言っていいでしょう。
私は当会に来る前に、警察で1年半稽古していましたが、先生が子供に教えることを聞いてやっていただけで、先生から私に直接教えてもらえることはほとんどなかったのです。
警察の先生に、わからないことを質問をすると
「はなずきんさんは、質問しすぎ!人のやっているのを見て、盗みなさい」
とか言われてしまい…
いやいや、あの時点の私にとっては、どう考えてもそれは無理な要求ですよ(笑)。
そもそも、稽古中は横並びでやっているので、全然他の人なんて見えないんですよ!しかも周囲には子供しかいないし〜。今思うと、子供と大人とではやるべきことがちょっと違うと思うのですよ。
そんな感じで、警察ではただ「稽古をこなす」ことで精いっぱいで、どうしたら自分のできていないことができるようになるのか…などということは、全然わからなかったのです。
それから息子と一緒に当会に移って来て、大人担当のN先生に教えてもらうことになり…
N先生の「基本を大事にする」「理論的な」教えは、私の腑に落ちるものばかりだったので、
「この先生についていけば大丈夫」
「この先生の言う通りにしていこう」
と思っていました。
だから、別の先生に違うことを言われた時も
”何事も、N先生の教えるようにしたほうがいいのでは…”
と、今までは考えていました。
しかし、今回の出稽古を通じて、違う先生の教えでも、私に合うものがあるかもしれないと思ったのです。
N先生の稽古は、基本的に体力や筋力がある(つける)ことを前提としている気がします。
もちろんそれは重要なのですが、私みたいな「生まれつき、骨格や腱があまり丈夫にできてない」ような人間には、いくら稽古を重ねても(というか、稽古をたくさんすると、体のどこかがおかしくなるので、ある程度以上はできないのです)、できない動作もたぶんあるのではないかと…。
筋肉は何歳になってもトレーニングでつけられるそうですが、骨格や腱は後から鍛えることはできないそうです。成長期なら改善の余地はあるかもしれませんが、この年ではほぼ無理でしょう。
となると、中にはN先生の言う通りにはできないことも、私にはあるかもしれない。
今後は他の先生からの教えも取り入れていくことで、私のできることの幅が広がるかもしれないな、と感じました。
しかし、今回は「役に立った、楽しかった」と思った、WN先生の稽古ですが…
私は実は、ちょっと前まで、WN先生が苦手でした。
はじめての合同合宿で教えていただいた時から、何かと注意をされることが多くて…
その後WN先生が当会に出稽古に来ていた時も、
「稽古をしていた私を見ていて、私が挨拶に行くとまず注意をされる」
という感じで、ほめてもらえることはほぼなかったのです。
「まずは、できていないことから言う人なんだな」
という印象を私は持っていました。
(うちの主人に似てるかも〜(^_^.))
注意の内容も「かっこよく見せようとして固くなってる」というような事を言われたのですが…
私はいつも教わったことをやろうとするので精一杯で、稽古の時にかっこよく見せようなんてことは考えていません。でも、出稽古に来ているだけの先生にいちいち反論しても仕方ないと思ったので、そのまま聞いていましたが。
私が固くなってるのは事実でしょうが、なんだか的外れな指摘をされたな、そんな風に思われているんだ…というのがちょっとひっかかったままでした。
WN先生は、N先生とはかなりタイプの違う剣道をされるということもあって、
(N先生とWN先生は、昔からのライバルですが、とても仲は良いのですけれども)
当会にWN先生が出稽古に来ている時も、私が掛かりに行くことはほとんどなかったのです。
そして、この間の合宿の時まで、その印象はあまり変わっていませんでした。
夜の宴会で袴の短さを指摘された時も、正直なところ「また注意からか…」と感じていたのです。
→母と子の剣道日誌(229)K会の大人合宿(その5)合宿の夜は宴会!&私の袴が短い話
でも、その後に先生の武道具屋さんに行って、着装や道具についていろんなアドバイスをもらったり、
出稽古にWN先生がいらした時に「足を置くつもりで面の形を作って打つ」という事も教えてもらい…
他の先生からはあまり教わることのないようなことに詳しくて、その知識を惜しみなく教えてくれるし、まず注意をしてくるのも、私が上手くなりたいと思っていることを知っていて、よく見てくれているからこそなのだろうと。
だからこれからは、WN先生のアドバイスは素直に聞いて取り入れていこうと思ったのです。
そして…今回の出稽古の最後に挨拶に行った時には、
「最後の面打ちは、なかなか良くなりましたよ。
これなら、二段も受かるでしょうし、このまま稽古を続けていれば三段も受かると思いますよ」
と、言ってもらえたのです。
私がWN先生にほめてもらえたのは、これが初めてかもしれません(笑)。
今までほぼ、ほめてもらったことがなかっただけに…
これはお世辞ではなく、素直に受け取ってもいいのかな、と思いました。
来る前はちょっと不安だった「ひとりでの出稽古」ですが、本当に楽しかったのです。
帰りの車を運転しながら、稽古の充実感に浸っていた私でした。
また、機会を作ってそのうちお邪魔させていただこう。
そして、”ひとりでの出稽古”という、ややハードルの高いミッションをクリアしたことで…
なんだか自分のレベルが上がった気がしました(笑)
だって、今まではそんなことができるレベルではなかったのですよ!
でも、やっとよその稽古に(かろうじてでも)ついていけるくらいにはなった、のですよね。
これからも、剣道に関わるいろんな経験値を増やしていきたい。
そんなことも楽しくてしかたがない…
”剣道馬鹿”まっしぐらな私なのでした(笑)。
「はじめての、ひとりで…出稽古。」はこれにて完結です。
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