8月の終わりの、水曜日の大人稽古の時のことです。
この日は、暑さがぶり返した日で…
かなり暑かったせいで、子供の元立ちだけでもけっこう疲れてしまっていました。
なので、大人の自由稽古のほうは、そんなに気合いを入れなくてもいいかな…と思っていました。
まずは切り返し、面打ちなどの基本稽古を軽くしたのですが、それだけでも疲れてしまいました。
面を外して水分を取って一休みして、残りの時間をどうしよう…
と思ってKD先生(年配の女性の先生)のところに行ったら、
「(大人担当の)N先生のところに、かかっていかないと!」
と言うので、N先生のところに行きました。
N先生はいつもは、私相手には、そんなにキツイことはやらせません。
息が上がるくらいまでは休まずやらされますが、私がN先生と立ち合った時に、徹底的にしごかれたことは、今まではほぼ、なかったように思います。
体力がありそうな若手男性には、かなりキツイ稽古もやらせていますが、
私に対しては、体力レベルを考えて、手加減してくれているんだな…と思っていました。
ところが、この日のN先生は、けっこう厳しかったのです。
「後ろ足に重心がかかって立っているので、とっさに打って出れていない。」
また、
「打った後に休んでしまっている、すぐに残心を取らないと」
と言われ…
何度も「先生が打突部位を開けたらすぐ打つ」「打ったらすぐに残心を取る」という練習をやらされました。
しかし、すでに暑さで消耗していて動きが鈍く、足もとっさに動かなくなっています。
「まだまだ!全然できてない!」
「前に重心をかけておく!開けたらすぐ打つ!もう一回!」
私は、気合いを入れてなんとかやろうと思っているのですが、息は上がってきているし、足も疲れていて気持ちについていかないのです。
そうこうしているうちに、大人稽古の終わりの時間が近づき、他の組は全員稽古を終わって、立ち合っているのは私とN先生だけになってしまいました。
周囲で見守っているのは高段者ばかりでした。
その中でN先生の私への檄が飛びます。
周囲の方からも応援の声が飛びますが…
もう、息は相当上がっていて、かなり苦しいのです。
先生が相手でなかったら「すみません、ちょっと休ませて下さい」と言いたいくらいの苦しさです。
言われたようにやりたいのに、どうしても体が思うように動きません。
もう、終わるべき時間は過ぎてしまっているし、私の体は今はこれ以上動かないとN先生は思ったのでしょう。
「しかたない、これで終わり!
全然、できてないけど、しょうがない」
と、N先生に言われてしまいました。
できてないけど、それよりも、やっと、終わった…、
とほっとしましたが、この時は相当、苦しかったです。
すぐに最後の整列をしたのですが、やや過呼吸ぎみで、隣の人にゼーゼー、ヒューヒューと言う呼吸音がはっきりと聞こえるくらい、激しく呼吸をしている状態でした。
このまま倒れるんじゃないかと思ったくらいですが、なんとか「黙想」中に過呼吸は収まりました。
しかし、こんなに苦しい稽古をしたのはひさしぶりでした。
先生にやれと言われたことが全然できなかった。
悔しい…と、この時は思っていました。
でも、後から考えたら…
ここまで言ってもらえるということは、私が前よりはできるようになっているからではないか、と思ったのです。
今まであまり厳しく言われなかったのは、私がまだ注意されるようなレベルではなかったからではないか。
厳しく注意してもらえるということは、まだこれ以上やれると思ってくれたからではないのか。
そう感じたのです。
秋の大会まで、あと一か月もないのです。
少しでも勝てるように、強くなるように、と、N先生は厳しくアドバイスしてくれているのではないか…と思いました。
その次の週の水曜日のことです。
この日は比較的涼しかったのですが、大人稽古に出ている人はかなり少なく…
全部で8人くらいしかいませんでした。
たまたま空いていたMK先生に基本稽古の相手をしていただいて、他は高段者ばかりで、私の相手をするのにちょうどいい方がいなかったのです。
そして、いつも人気の(立ち合いを希望する人が多い)N先生のところにも、人が並んでいません。
先週「全然できてない」と言われたまま、N先生とは立ち合っていなかったので、また、N先生にかかることにしました。
N先生に私の前にかかっている方が終わるまでの間、先週注意された
「重心を前に置いておく」「すぐにかかっていけるようにする」「打った後、気を抜かないですぐ残心を取る」
というのをもう一度口に出して確認していました。
今度はそれに気をつけて、かかります!
しかし、今まで、あまりできていなかったことをやろうとしているわけですから、難しいです…。
前に重心をかけるように気を付けているのですが、なかなかすぐ打ちに行けません。
小手を開けてくれたのに、面を打ちに行ってしまったりして
何度も「よく空いているところを見て打つ!」と注意されました。
でも、先週よりはマシなタイミングで打てた、でしょうか?
この日は、先週ほど厳しくはされず、ある程度やったら「終わり」となりました。
そんなにしっかりできていたわけではないのですが、少なくとも、私が「すぐに打って出られるようにしよう」と意識してやっている事は伝わったのかな、と思いました。
水曜日の大人稽古の終了は、夜の9時過ぎです。
稽古が終わって、黙想した時…
シーンとなった体育館に、リーン、リーン…と秋の虫の声が響き渡りました。
しばしの静寂と…虫の声。
汗はまだにじみ出て、額を伝わってきていますが…
気持ちが落ち着いてきます。
ああ、いいなあ、この時間。
私はこの時間が好きで、剣道をやっているんだなあ、といつも思います。
「修業を終えた」という感じがあるのが好きなんですよね。
黙想を終え、体育館の上の窓閉めをします。
窓から、涼しい風が入ってきていて、熱くなった体に心地いいです。
ふと外を見ると、沈んでいこうとしている上弦の月が見えていました。
もう、秋の月の色です。
暑い夏が終わり、稽古にいい季節になってきたなあ、と思いました。
秋の大会までもう少し。
公式戦では勝てたことが1回しかない私ですが、それでもがんばりたいな。
でも、もう少し脚力を強化しないと、とっさに打って出れないな。
体の調子が悪かったり、暑かったり、雨だったりで、少しサボり気味だったランニングを再開して、大会までにもうちょっと脚力をつけよう!と思った…
夏の終わりの稽古でした。
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