2017年01月21日

JTEF(トラ・ゾウ保護基金)の総会出席&JTEF西表島支部の話。

私は今日、JTEF(トラ・ゾウ保護基金)の総会に出席してきました。

JTEFは、「トラ・ゾウ保護基金」という名前ですが、イリオモテヤマネコの保護活動もしています。
私はイリオモテヤマネコを愛しているので(笑)JTEFの正会員になっています。

そのあたりの経緯は「JTEF(ヤマネコ保護)のチャリティーパーティに参加してきました!」で書いておりますので、そちらをご覧ください。



総会は毎年1回、1月に行われていて、今回が第8回でした。
私は確か第2回くらいから参加していて、出られない年もありましたが、ほぼ毎年出席をしています。

イリオモテヤマネコの現状については、西表野生生物保護センターJTEFのホームページでもブログや報告などされていますが…
総会では、実際に西表に行って保護活動をされている方から直接お話を伺えるのです。
西表島に行きたくてもなかなか行けない私にとってはまたとない機会です。


総会では、昨年度のJTEFの活動や予算状況について報告があり、承認をします。
その後、交流会といって、お茶を飲みながら参加者がディスカッションをする席があります。

今回は、初の試みとして、交流会中にリアルタイムでJTEF西表島支部とskypeで接続して、西表島支部の局長さんのお話を伺い、質問などをすることができたのです!


JTEFの西表島支部は、実は昨年できたばかりです。
昨年、「イリオモテヤマネコの日」(4月15日)というのが制定されまして…。
それに合わせる形で、西表島支部を開設したのだそうです。

※イリオモテヤマネコが専門家によって「新種」と公表された日が1965年4月15日なのです。


JTEF西表島支部では、「やまねこパトロール」を中心にして、西表島内での、ヤマネコ保護啓発活動や、小中学生に対してヤマネコへの理解を深める授業などを行ったりしています。
(活動の詳細は上記リンク先をご覧ください)


JTEF西表島支部の局長の高山さんは、本土(沖縄外の日本のことを沖縄の人はそう言います)から西表島に6年前に移住した方で、現在保育所に通っている女のお子さんがいるそうです。
以下、高山さんから伺ったお話ですが…。

昨年(2016年)、西表島では、史上最悪の「年間7件」の交通事故があり、ヤマネコが死亡しています。
そして昨年末から今年にかけて、イリオモテヤマネコの幼獣が道路に頻繁に出没していて、やまねこパトロールをしている最中にも遭遇しているそうです。
人に対して警戒心のない子ネコなので、見かけたらガードレールを叩いて大きな音を出して脅かしたり、人が追いかけて追いやったり、「人間は怖いものだ」と覚えさせるようなことをしているそうです。

この子猫は生後3か月くらいではないかと推測されているそうですが、通常、この時期(1月)は幼獣がいるような時期ではありません。
イリオモテヤマネコが子供を産むのは本来は4〜6月頃なので、ずいぶん時期のずれた出産をした母猫がいたのでしょう。そして、本来ならまだ子猫のそばにいるはずの母猫がいないそうなのです。

事故や病気など、なんらかの原因で母ネコが死んでしまったのか、あるいは育児放棄したのかはわかりませんが…。
本来なら生後半年くらいは母親が側にいて、餌の取り方や危険な場所などについて教えてあげるものなのです。しかし母猫がいないので、子猫が平気で道路に出てきてしまっているのでしょう。

西表島の道路の脇の側溝は、普通の道路の側溝と違う形をしています。
普通はU字型なのですが、西表島では「落ちた生物が出られるように」V字型になっています。
そこにトカゲなどの小さい生き物がいるので、子猫はそれを狙って、V字型側溝の中を移動しているのではないか、ということでした。

その子猫を高山さんが発見した時の映像も見せてもらいましたが、暗い中、小さい猫が出てきても、よく目をこらしていないと見えないのです。(イリオモテヤマネコは基本的には夜行性なので、暗い時にも道路に出てきます。)
私たちはビデオで「ここに出ます」と言われて見ているからかろうじて発見できるのですが、実際に走っている時にはそうはいかないでしょう。
西表島の道路は街灯もなく真っ暗ですから、車のヘッドライトで道路を照らしていても、スピードを出して走っていたら、発見してから止まるのはほぼ不可能でしょう。


現在、「やまねこパトロール」では、夜に「パトロール中」と書いた車を走らせて、周囲の車に注意を促したり、遭遇する車のスピードを測定したり、どこから来た車なのか(レンタカーか島内の車なのか)などを記録しています。
夜にスピードを出して走っているのは、島内の車が多いようなのですが、これまでにも島内で「スピードを出さないで欲しい」というお願いは再三していても、なかなか浸透しないようです。

西表島に住んでいても、イリオモテヤマネコを見かける機会は決して多くはなく、見かけるとしても路上で見るだけで、野生の姿を見ることはほとんどないそうです。
なので島民にとっては、そんなにイリオモテヤマネコに親近感があるわけではないそうです。

イリオモテヤマネコ発見当時から、西表島の島民は、イリオモテヤマネコ保護には積極的ではありませんでした。むしろ「ヤマネコ保護のために、自分たちの生活(農場を作るなどの開発行為など)を阻害される」ということで、保護活動を煙たく感じていた人も多いようです。
現在は、以前に比べれば保護の意識は浸透してきたものの、保護活動に実際に携わっているのは、ほとんどが島外から移住してきた人なのだということでした。


「やまねこパトロール」のメンバーも、以前に比べれば増えて、東部で10名、西部で10名いるそうですが、西表島出身の人は1名しかいないそうです。
高山さんは、もっと西表島の人に活動に加わってほしい、ゆくゆくは支部局長が「しまんちゅ」(島の人)になって欲しい、とおっしゃっていました。


高山さんは西表島に移住して6年ということですが、「よそもの」に対してはやや距離感を取る島の人たちにヤマネコ保護の話を聞いてもらうためには、もっと地域に溶け込まないといけない、と感じているそうです。
なので、お子さんの通っている保育所の役員をやったり、地域の代表をしたり…など、まずは島のコミュニティに溶け込む努力をされているそうです。

私が西表島に行った時に取材させていただいた、イリオモテヤマネコの研究者、岡村麻生さんも同じようなことをおっしゃっていました。
西表島で、イリオモテヤマネコの保護に携わっている「ウチナンチュ」(本土から来た人)はみなさん、そういう努力をされているようです。
まずは、島民の生活があってこその保護活動なのです。


しかし、大人へのアプローチはなかなか難しいので、まずは子供から…ということで、JTEFでは、西表の小学校、中学校で、イリオモテヤマネコへの理解を深める授業を数年前から行っています。

現在、近くにヤマネコが時々出没しているという「白浜小学校」の近くに、ヤマネコ監視用のカメラを設置して、その映像を利用して授業を行うことを考えているそうです。


石垣島空港が新しくなってから、年々増えるいっぽうの交通事故。
西表島は世界自然遺産にも推薦されており、今後なおさら観光客によって自然が破壊されるのではないかという心配。
イリオモテヤマネコを取り巻く状況は現在、非常に厳しいようです。


そんな中、JTEFの方々は、本当に真摯に精力的に保護活動をされています。

JTEF本部の方々ももちろんなのですが、西表島で孤軍奮闘されている高山さんには、本当に頭の下がる思いです。
(もちろん、協力して下さる方はいるのですが、JTEFの職員として西表島に常駐しているのは高山さんしかいらっしゃらないのです。)

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↑西表島で、道路の草刈りをされている高山さんです。

歩道に草が生い茂っていると、ヤマネコがそこに隠れたり、ドライバーからヤマネコが飛び出してくるのが見えないので、草刈りを時々行っているそうです。
西表島は暖かいので草が生えるスピードも速く、あまり人が通らない歩道はあっという間に草だらけになってしまうのです…。


私もできれば、西表島での保護活動に参加したいのですが…、
さすがに家族を巻き込んでまでは難しく、ただ見守るだけなのが歯がゆいのですが、せめてこういった情報発信をすることでエールを送ることができればと思いました。



実は私も、子供の小学校で「ヤマネコの授業」をしたことがあります。
小学校のPTAのクラス役員をした時に、朝の会の時間を使った子供への「読み聞かせ」の機会を利用して、うちの子のいる学級の生徒たちに、イリオモテヤマネコについてのレクチャーをしたのです。

長男が5年の時にやって好評だったので、次男が5年の時も同じようにやりまして、今年は末娘が5年になるので、またやろうと思っています。
5年生くらいにならないと、ちょっと理解が難しいかと思い、その時期にやることにしています(笑)

もっと、いろんな場所でこういうことができればいいのでしょうが…。


それはさておき、今日は、西表島で実際に保護活動をしている方とリアルタイムでお話ができて良かったなと思います。
西表島は、行きたくてもなかなか行けない場所なので、現地の生情報をこうやって聞ける事は、私にとって非常にありがたいことなのです。


こういう機会を作って下さった、JTEFの皆様に感謝いたします。
ぜひ来年の総会でも西表支部のお話を聞きたいですね。



そうそう、JTEFの総会に参加した時、私はいつもイリオモテヤマネコグッズ(購入したお金はJTEFへの寄付になります)を買ってくるのですが…
今回ゲットしたのは、この手拭いです!

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イリオモテヤマネコと、西表島の生物たちの柄になっています。
イリオモテヤマネコ、セマルハコガメ、サキシマキノボリトカゲ、シロハラクイナなど、西表島ではおなじみの生物たちです。蝶の種類ははっきりしないのですが、アオスジアゲハでしょうか。

この手拭い、JTEFの関係団体の「野生生物サポートグッズ 結」で販売しています。
今度、ピンク色のバージョンの手拭いも作るのだそうですが、HPのほうにはまだ手拭いは掲載されていません。(問い合わせれば対応してくださると思います)

私はふだんから、手拭いをハンカチ代わりにしているので、ガンガン使ってJTEFの宣伝をしようと思います(笑)



ところで、私の「イリオモテヤマネコに恋をして…」のHPはプロバイダの変更により移転しています。
そして更新がしづらいので、今後はブログ(こことは別)にさらに移転をする予定です。


ひさしぶりにイリオモテヤマネコの事を書きましたが、また、折に触れて、イリオモテヤマネコ情報を発信していきたいです。
posted by はなずきん at 23:07 | Comment(2) | イリオモテヤマネコ関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はなずきん さん

お久しぶりです〜
あ〜やっと後期試験が終わりました〜

トラ・ゾウ保護基金!
すごいグローバルな団体に入っていらしゃるんですね!
イリオモテヤマネコも保護!
すごいですね〜
よのなかには、まだまだ知らないことがいっぱいあるんだなあって
思いました(*^_^*)
Posted by 麻子 at 2017年02月01日 14:20
麻子さん

ひさしぶりに、いっぱいコメントいただきましたね。
ひと段落されたようで良かったです。
(でも、お忙しそうですけど)

イリオモテヤマネコって、名前は有名だけど、どんな動物なのか、どれほど危機的な状況なのかは全くといっていいほど知られていないのですよね。

JTEFができたのはそんなに前ではなく、まだあまり知られていないのですが、いわゆる「お題目だけ」の自然保護団体ではなく、しっかり活動されていて心強いです。

これをきっかけにちょっと興味を持っていただけると嬉しいです♪
Posted by はなずきん at 2017年02月03日 09:37
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