2016年12月07日

母と子の剣道日誌(129)初段に向かって打て!(その11)不合格の次男は…

母と子の剣道日誌(128)初段に向かって打て!(その10)学科試験、けっこう大変でした。より続いています。


さて、今回残念ながら不合格になってしまった次男のことですが。

次男は、今の会に入った当初は、以前習っていた警察よりも先生は優しく面倒見が良かったので、まあ不満なく行っていました。
しかし、数か月経った頃から「剣道をやめたい」と言い出したのです。

前からいる同学年の子ともあまりなじめていなかったし、同学年の子が強くてさっぱり勝てないので、つまらない、と感じていたのでしょう。
また、日曜日の稽古は朝早いので、朝弱い次男は起きられず…、さらに日曜日のほうが時間が長くて大変なので、日曜日は「行きたくない、めんどくさい」と大騒ぎして、いつも私ともめながら行くような有様でした。


でも、次男は稽古や剣道そのものが嫌いなわけではないのです。
行くまでの腰は重いのですが、連れていけば、それなりに楽しそうにやっています。

せっかく3年も剣道を続けてきて、初段も取らずにやめたのでは、せっかくの経験があまりプラスにならない、と思い、主人と私は「中学になって、初段を受かるまではやりなさい。受かったらやめてもいいから」と言って、いつもは「水曜日の稽古だけ出ればいい」ということにしました。

次男は初段合格には「十分」とは言えない感じでしたが、あとちょっとがんばればいけるだろう、というくらいのレベルだと、私も主人も思っていたのです。


しかし中学に入ってからは、お互い成長したからなのか…同年代の子たちとも、そこそこ楽しく話しているようになりました。
「初段受かっても、水曜日だけなら行ってもいいかな」などと言っていたのです。



初段審査直前、9月に入ってからは、日曜日の稽古にも連れて行っていました。
日曜日にしか形稽古をやる時間がないし、次男はまだ初段が受かるかどうか微妙な感じだったので…
「審査前なんだから日曜日も出なさいよ!」と言って引っ張り出していたのです。

次男はやる気もそんなにあるわけではないし、稽古回数も多くはないので、同年代の子と比べると、どうも動きも少し遅いし、進んで打ちに行こうというファイトが薄いのです。

次男は、昨年は足の成長痛で半年くらい稽古を休んでいました。
しかし本当にそこまで痛かったのか…
学校の体育も休んでいたくらいなので、嘘ではなかったようですが、必要以上に長引いていたような気はします。治ったら稽古に出ないといけないんだ、めんどくさいな、という精神的なものもあったんじゃないかな、と。

中学1年生で初段審査を受けに来る子というのは、小学校からずっとやっていた子がほとんどでしょう。
強い子と当たったら、一方的に打たれて終わりかもしれない、という気がしていたので、審査の時はもっと気合い入れないと微妙かも…と私は感じていました。

会でやった試合稽古では、次男はなんと小学校3年の子に負けた事もあり…、
相手は、市大会で銅メダルを取ったことがある子とはいえ、中学生が小3に負けるのはどうなのよ。
やっぱり次男は気合いが足りないのだろうな…と思っていました…。



ところで…
次男は昨年から、「スプラトゥーン」というWiiUのゲームにはまっていました。
インクを発射する銃を持って陣地を塗ったり、相手を倒したりしながら、インクを塗った面積を競う「陣取りゲーム」をするというものです。
主人公がストリートファッションで、着替えもいろいろできる、というオシャレな設定も話題になり、昨年大ブレイクしたゲームなのです。
売れ行きの悪かったWiiUがこれのおかげでちょっと売り上げを伸ばした、というくらい人気があったようです。


次男はこのゲームにはまっていたのですが、けっこうな腕前で、子供の中ではかなり上手いほうの「S」クラスなのです。「S+」が一番上なのですが、子供だとここまでのレベルの子はほぼ、いません。
知り合いだと、次男より強い子はいないです。(同レベルくらいの子はふたりくらいいますが…)

実は、運動嫌いの次男が剣道を始めた理由も、Wiiスポーツの「チャンバラ」にはまったからなんですよね。
これも、大人でも相当難しい「裏面」も全部クリアしていました。


スプラトゥーンはかなり、反応速度の素早さを要求されるゲームです。
次男のゲームの様子を見ていると、ほんのちょっとした敵の気配(敵の立てる微妙な音や、全体のマップの動きなどの観察から)を感じて逃げたり、隠れている敵を打ったり、かなりの「マルチタスク」をしながら器用に戦っていて、動体視力も良さそうです。
戦略もいろいろ考えていて、まずどんな武器を持つかの選択、そして対戦ではまずここを塗ってから、この敵を倒して、次に何をして…というのを実にうまくこなしています。

いつも、弟に対して偉そうな態度を取っている長男も、スプラトゥーンをやる時だけは、弟が出す「次にどこに行ってあれをやって」「はい、ボム打って!」などという指示に素直に従ってやっています(笑)。

次男はゲームではこんなに強いんだから、剣道でもこの戦略の立て方とか、反応速度は生かせないのかな?ってずっと思っていたのですが…



先日稽古の様子をひさしぶりに見に行った主人が言うには、次男の剣道の戦い方は、自分が起こしたアクション(たとえば面を打つ)に対して、相手が反応(よけたり、打ってきたり)すると、そこに反応して自分が打つのをやめてしまうのだそうで…。
そのまま打っていけば当たるかもしれないのに、というのです。
なまじ、反応速度が素早すぎるのがあだになっている、のでしょうか。



スプラトゥーンだとガンガン攻めていく次男ですが、剣道の稽古の様子を見ていると、「待ち」が多くて、自分から積極的に打っていくことはかなり少ないのです。

もともと、声は大きいほうで、私も次男の声はけっこうイイと思っていつもほめていました。
なのに、最近は出し渋っていて(笑)あんまり声が出てないのです。
前の警察の先生は、声を出してないと怒られるので、次男もがんばって声を出していたようですが、今はそこまでは言われないのもあって…うちの会の中学生はみな「出し渋って」います。
大声を出すのが恥ずかしい年頃なのかもしれませんが…。



当会の次男の同年代の子はかなり強く、なかなか敵わないのは確かなのですが、
警察にいた頃は、同じくらいに始めた初心者の子には勝てることもあったんですから、
もっとファイトを持って向かっていけば、もう少しなんとかなるのでは?と私はずっと感じていました。

決して、全く剣道のセンスがないわけではないと思うのです。
次男がさっぱり勝てないのは、やる気の問題がかなりあるのではないだろうか。

「ほめてのばそう」というつもりのお世辞?もあったのかもしれませんが、先生やパパママ剣士さんたちからも、次男はセンスは悪くない、と言われていたのです。



9月に入ってからは、次男はしぶしぶながら日曜の稽古に毎週出てきてはいました。
しかし「やらされている感」があったのは確かでして。


車の中で寝ちゃって、稽古場所に着いても起きないので車に放置してきたら、準備体操の時にも来なかったりとか…、
大人稽古の時間に模擬審査稽古をやっていたので、「一緒にやろう」と言ったのに、嫌がって先に帰ってしまったりとか。(バスでも帰れるので、一人で帰ってしまったのです)


前回書いた通り、学科の審査も、本当にめんどくさかったようで、書かせるのにはとても苦労しました。
ほぼ私の答案を書き写すだけなのに、それだけのことを相当、面倒がっていたのです。


「このままじゃ受からないかも」という気持ちが次男にはあったのでしょうけれども、
「だから、もっとやらないと」というようにはならず、「どうせ俺は、同年代の子に比べたら弱いんだから」と、どこか微妙にあきらめているような雰囲気があったのです。




三段の審査を、私たちと一緒の日に受審した「稽古中毒」SZさんと「頼りになる弟」Iさんの合格を、審査翌日に市剣連のHPで知った私は、ふたりに合格祝いのメールを送りました。
するとSZさんから返信が来たのです。

次男は合格すると思っていたのでショックを受けたとのこと。
立合いを見ていなかったので原因はよくわからないが、実力を出せなかったのだろう。
次男がこれで剣道を辞めてしまうかと心配していたが、次も受審すると聞いてよかったと。
もっと成功体験を経験して剣道を好きになってもらいたい、
そのためのお手伝いは大人会員の皆がしたい、と。

そう、書いてありました。


SZさんの息子さんは、次男と同学年で、6年生の時にリーダーをしてた、負けず嫌いでがんばりやさんのRS君です。
RS君は小学校4年から剣道を始めたので、剣道を始める年齢としては早いほうではないのです。
当初は、幼稚園の頃からいる同学年の子には全然勝てなかったに違いないのですが…それが悔しくて、いっぱい稽古をしたのでしょうね。今では同学年の中では一番の実力を持っています。
市大会でもメダルを取ったことがあるし、昨年の稽古は精勤賞で表彰されていました。

RS君は地稽古で大人相手にかかってくる時も、手を抜きません。
私はいつもボコボコに打たれてまして(笑)、本気で相手をせざるを得なかったくらいです。
そうでないと、RS君にとって役に立つ稽古にならないだろうと思いまして。

次男には、RS君の爪の垢を煎じて飲ませたいくらいなのですが…
SZさんの稽古熱心さもハンパないのですが(笑)さすが親子、って感じです。

同じ学年の子供を持っている親として、SZさんは次男の事も良く見ていていれたのでしょう。
こう言ってもらえて、ありがたいなと思いました。



私は、そのメールを次男にも、主人にも見せました。


次男に、審査の時はどういう立ち合いだったのかと聞いたら
「あんまり打って行くことができなかった」

次男の会場で、実技で合格しなかったのは次男ひとりだったそうで
「恥ずかしかった」
そう、言いました。


それを聞いた主人は、次男に言いました。

「俺も含め、みんな、お前は初段は受かる実力があると思っていた。なのに、落ちてしまった。
なんでだと思う?

お前は”もしかしたら受からないかもしれない。でも、今回で受かればもうけもの”くらいの感覚だったんだろう。
いろんな子をたくさん見てきた審査員には、お前の「やる気のなさ」や「どこか逃げている気持ち」がわかってしまったんだと思うよ。だから、受からなかったんだ。

お前、最近試合を避けてるんだろ?負けるのが嫌なんだよな。
でも、負けたことに学ばなければ、絶対上手くならないんだよ。

お前はもっとできるはずだよ。もっと、必死になってやってみろよ。」



私も、次男が落ちたのにはがっくりしました。
「また受審させるのか、今回みたいな感じならまた稽古に連れていくのも大変だな…」
正直「めんどくさいなあ」と。


でもやっぱり、次男は落ちて良かったのかもしれない、と後から思ったのです。

今回、初段に受かってしまったら、次男は「俺は勝てない、打てないんだ」という気持ちのまま、なんとなく引け目を持ったまま、剣道を「卒業」することになったでしょう。

でもこれで必死になって、審査に、稽古に向かっていくきっかけができたのです。


以前、私が1級に落ちた時…
私もですが、先生も必死になってくれたのです(笑)。
「次回は絶対合格しましょう」ということで、私に集中的に稽古をつけてもらったりもしましたし、私が水曜日の大人の自由稽古に出るようになって、人のつながりもできました。


今まで他の方も次男に対して「こいつ、あんまりやる気ないなあ」と感じてはいたと思います。
でも、そんなにキツイ注意はされてこなかったと思うのですが…
次男のことも、これをきっかけに、周囲もどうにかしなければ、と思ってくれるでしょう。
それで次男も、少しは変われるかもしれません。



私は、次男に言いました。

「自分だけ審査に落ちるって、恥ずかしいでしょ。私も、その悔しさは味わってきた。
でも、このまま終わるほうが、恥ずかしいんだよ。
今度は、必死になってやってみようよ」


次男は、今までよりはちょっと気持ちの入った目で「うん」と言いました。
まだ、ちょっと弱々しいですけどね(笑)。



審査後の初稽古のことです。
私が元立ちになっていて、次男がかかってきたのですが…
次男は「すり足」をする時に上下動が多く、はねるような感じになってしまっているので、それを注意しました。

いつも、私に注意をされるとムッとした感じで、ろくに聞いてないのですが、
その時は、「すり足、はねないように気を付けなさいよ」と言った私の言葉に素直に「うん」とうなづいていました。
いつまでこの「素直」が続くかわかりませんけれども。


さて、次回審査、どうなるか…
次男のことですから、めちゃくちゃやる気になるってことはないでしょうけれども(笑)
今回よりは、前向きに行ってほしいな、と思います。

そしてそれが、これからの人生の糧になればいいなと願っています。

(続く)
posted by はなずきん at 11:10 | Comment(2) | 親子で剣道3剣友会編(初段まで) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はなずきん さん

そうでしたか…
次男くんも一緒に合格できたら、さらに嬉しさ倍増といったところでしたね。

まあ、でも、若いから。
むしろ、一つのきっかけとなるといいですね。

とはいえ、思春期の子は難しいですよね。
口に出してることや態度では、本当に思っていることはわからないですしね。
うちの下の子は、わりと素直な方ですが、やはり本音を言っているかどうかわからないことが多いかな。

でも、次男くん、お母さんと一緒に稽古にきて、偉いですね〜
うちは、私とは絶対一緒にやらない!と主張しているので、部活引退後そのまま剣道をしなくなっています。まあ、いつかやりたくなったら、またやるでしょう、と私は、のんきに構えていますが。

とにかく、今回の不合格、次男くんに、いい方向の影響なるといいなあって思いました(^_^)
Posted by 麻子 at 2016年12月08日 18:01
麻子さん

中学生、めんどくさいですよねえ〜。

うちはもともと私は次男の付添いで、私が始める前から一緒に行っていましたからね…。

稽古中は、自分が元立ちになっている時以外、あまり口は出さないように、基本的には他の人の指導にお任せしています。
だから、次男を相手にして稽古することはそんなにないんですよ。

次男はスイッチが入ればやるんですけどね〜
いつどんなタイミングで入るのか、さっぱりわからないです(笑)

でも次はなんとしても!受かってほしいです。
Posted by はなずきん at 2016年12月08日 22:25
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