2015年10月21日

母と子の剣道日誌(54)「もっと、強くなりたい!」

昨日のブログ「母と子の剣道日誌(53)私の剣道スタイル…これでいいの?」を書いてから…
ずっと、私にとって剣道ってなんだろう、と考えていました。


女剣士に憧れて、かっこいい女性になりたくて、始めた剣道ですが…
全然思うように上達しなくて。
主婦であり母であるからには、剣道だけやっているわけにもいかないし、
体力もなかなかついていかず、週2回の稽古をこなすので精一杯でした。

前の警察の先生は、私のできてないところしか言ってくれない人だったので、
何度も自信をなくして、私みたいな鈍いのが、剣道を続ける意味があるのかと悩みました。
モチベーションが上がらなくて、ただ稽古に行っているだけ、という時もありました。
だけど、剣道は好きだったし、逃げたくなかった。
だからせめて初段までは取りたいと、剣道を続けていました。

そして会を移り、N先生に教えてもらえるようになり。
自分はどう戦ったらいいのかが少し見えてきて。
稽古を重ねてきたことで、体力も腕力も少しはついてきて…
この間の試合でやっと、初めて勝つことができたのです。

自分にもいいところがあったのだと、ちょっと自信を持つことができて。
もっと上手くなりたい、と思っていたのに、
自分がいいと信じてやってきたスタイルを剣道仲間に否定されてしまい。

試合に負けても”悔しい”と思ったことのない私ですが、
…それが、とても悔しかったのです。



でも、そのおかげで、剣道について、あらためて考え直す事ができたような気がします。

昨日から私は、自分が持っている、剣道関係の本などを見たり読んだりしていました。
子供に読ませるために買った「武士道シックスティーン」の漫画。
剣道初心者の高校生が、剣道が大好きになり、青春を賭ける「切っ先三寸」
おととしに放映した、NHKの「アスリートの魂」という番組の、山本真理子選手のドキュメント。
山本選手は、一昨年とその前に全日本女子剣道選手権大会で優勝している方です。残念ながら昨年は3位でしたが…。


山本選手の番組は、2013年9月に放映されたもので、全日本女子剣道選手権の2連覇に向けて悩んでいた頃のドキュメンタリーです。

ちょうど私が剣道を始めた頃の番組ですが、テレビで女子剣道が取り上げられることは少ないので、ずっと保存してありました。
それから、剣道について参考にしたい事があったり、悩んでいた時に、たまに見返すことがありました。


山本選手は「先をかける剣道」が特徴の選手で、まず気迫で相手を圧倒し、積極的に前に出て攻め、飛び込んで技を打つタイプの人です。
特にファンというわけではないのですが、私と似たスタイルの戦い方だな、と思って見ていました。
もちろん、私と比較対象になるようなレベルの方ではありませんけれども(笑)。

番組中で、全日本選手権で前年に優勝した山本選手は、初めて「追われる立場」になったことで、自分の剣道ができなくなっていました。
2連覇のプレッシャーに押しつぶされそうになり、打たれるのが怖くて前に出ていくことができず、全日本選手権になんとか出られることが決まってからも、勝てるはずの相手に全然勝てていませんでした。

世界選手権3位の実績を持つ父親の元で、5歳から剣道を始めて、全日本で優勝したような選手でも、トップを守らなければ、というプレッシャーでこんなに弱くなってしまうのか、と見ていて驚きました。
試合で力が出せるかどうかは、メンタルな部分がとても大事なのですね。

でも山本選手は、稽古や試合で何度も負けた末に「打たれるのが怖いなんて、考えてもしょうがないことだ。前向きにやろう」と決意してからは、本来の自分の「先をかける剣道」を取り戻して…
見事、全日本選手権で優勝を決め、2連覇を達成できた、という内容でした。


録画当時に番組を見た時は、私はまだ全然初心者だったので、山本選手の試合や稽古のシーンは、打つのが早すぎて何をどう打っているのかよくわからず、スローで再生して見たりしていました。
でも昨日は、あ、ここで打つな!とか、足が良く動いているとか、中心から剣先が外れてしまって打たれた、とか、私ならどこを攻めるだろう…そんな事を考えて見ることができるようになっていました。
少しは私も「見る目」ができてきた、という事でしょうか。

そして、山本選手をはじめ全日本に出てくる女性選手は、当たり前ですが、おっとりした剣道などしていませんでした。
気合い十分で相手にぶつかって崩し、隙があれば、容赦なく何度でも連続で打ちこんでいきます。
私は同じような事をやっているつもりで「竹刀を振りまわしてしまって」いるのかもしれませんが…やっぱり、私はこんなイメージで戦いたい。
今は、それでいいのではないかなと思いました。

でも、Nさん相手の時は、もうちょっとやり方を工夫してみようと思いました。
本当は、私のような初心者に振り回されているようではマズイと思うのですが…、でも、私ほど勝負に対して貪欲ではなさそうな方なので、同じ会の仲間として稽古がやりづらい、と思われてしまうのも困りますし。
だから、それに合わせてやってみることにします。


そして、私は手元にあった、いろんな剣道漫画を読みなおしてみました。
どの漫画も、主人公や仲間に向かって「なぜ、剣道をやるのか」という問いかけがあります。
それを読みながら、私は剣道の何が好きなのか…
自分はどういう剣道をしていきたいのかを、考えました。

最初は見ているだけで、”憧れ”でしかなかった剣道の選手に、私は今、なっているのです。
試合を見るだけでなく、出ることができているのです。
45歳から初心者で始めるなんて無謀だし、続けられるかどうかわからない…
と思ってた事を、実現できているのです。
そのありがたみと重みをかみしめました。


そうして、私の心の中に浮かんできたのは、


もっと、強くなりたい!


という気持ちでした。

「もっと上手くなりたい」とはずっと思っていましたが…
はっきりと「強くなりたい」と意識したのは、これが初めてかもしれません。
だって今まで、全然そんなことを考えられるレベルではなかったのですから。



剣道を始める前は、鈍い私でも、頭を使えば試合に勝てることもあるかな?
なんて甘い事を考えていました。
でも、実際に始めてみたら、全然体が思うように動かなくて。
相手にいつ打ちこんでいったらいいのかも、最初はちっともわからなくて。

こんな私が、強くなんかなれるわけない。
せいぜい、初段を取るくらいが関の山だろう、とあきらめていました。

でも、最近、稽古でたま〜に「いい面」が打てることがあって…
N先生から「はなずきんさんの面は、打った後もしっかり腕が伸びているのがいいですよ。
ああいう面は、なかなか打てませんから、あなたの武器になりますよ」って言ってもらえました。
その言葉を額面通り受け取れるかどうかはともかく…
少なくとも、以前よりは多少でも上手くなっているのは確かです。

私はまだ体力も技術も足りないけど、やる気と気迫はある。
もっと稽古を重ねて、戦い方を考えていけば、もう少しは強くなれるのではないかと。

今までは、大会で、同じ市内の強豪「N剣友会」の人に試合で当たったら、ひとたまりもなく負けるだろうな…と思っていました。
一回戦くらいはあまり強くない相手だったら勝てても、大会で上に勝ち進めば必ずN剣友会の人に当たります。だからそれ以上は無理だろうとあきらめていました。

実際のところ、N剣友会の方は、若い頃からずっと剣道を続けてきている方が多く、私たちと実力差があるのは確かです。
経験年数や稽古の積み重ねは、遅く始めた私たちにはかないません。
でも、剣道の試合は、技術的に上手ければ必ず勝つ、というわけではないのです。
だから、N先生の教え通りに稽古していけば、もしかしたら試合では勝てるかもしれない…と最近ちらっと感じるのです。

それは、私の勘違いかもしれません。
少しばかり自分の剣道がマシになったからって、いい気になってるだけかもしれません。
でも、そう信じてやってみよう、いや、やってみたい、と今日、思ったのです。


だから、今まで言っていたような「細々と」ではなく、もっと積極的に稽古をやっていきたいのです。
私は男性など、圧倒的に強い人を相手に組むのは「こんな弱いのを相手にしてもらうのは申し訳ない」とずっと躊躇していたのですが…これからはそんな事を考えずに、もっといろんな相手に稽古をつけてもらい、見る目も技もつけていきたい。
試合も、出られるものはなんでも出て、経験を積んでいきたいのです。

あと、私は体幹や下半身が弱いのがネックで、そのせいで打つ時に「ぶれて」しまうのではないかと思うのですが、それを克服するために、体幹や下半身を鍛える運動を、これからは毎日少しずつやることにしました。
がんばりすぎると続かないので、生活の中でできる範囲内で、ですけれども。


でも、もしかしたら、すぐに挫折するかもしれません。
また壁にぶつかって、やる気をなくすかもしれません。
最初は、自分がある程度までできるようになってから、この気持ちを書こうかと思いましたが…
やっぱり、逃げ道を作らないように、ここで「宣言」しようと思いました。
くじけそうになったら、このブログを読み返せるように。



体力的にも、私は決して上り坂の年齢ではありませんが…
だからこそ、今が「どんどん攻めていく剣道」をする、最後のチャンスかもしれない。
「ゆったり構えてさばく剣道」は、もっと動けなくなってから挑戦することにします(笑)。


剣道は、相手と戦うより前に、まず自分との闘いなんです。
「どうせ自分なんて」と諦めてしまう弱い自分から、逃げてはいけない。
どこまでできるか、わかりませんが…
とにかく、やれることをやってみよう。

そう決めたら、なんだか、次の稽古がとても楽しみになってきました。
落ち込んでなんか、いられません!

タグ:剣道
posted by はなずきん at 00:18 | Comment(6) | 親子で剣道2剣友会編(1級まで) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はなずきんさん

今回の内容全てが、前回の他のママさんとの違いを説明できますよね〜
目指しているところが違うのでしょう、きっと。

山本選手のドキュメント、私も見たいなあ。どこかで見れないか、探してみますね。

私も強くなりたいです!
明鏡止水の心を持って、電光石火に攻めたい、と思っていますが、なかなか、まだ難しいです…
しかも、日舞の発表会まであと10日なため、剣道モードより日舞モードになっていて、素振りもヘナチョコになってしまっています。
子どものピアノもあって、私がつぎに稽古に行けるのは、11月の二週目以降だし…あ〜派手ママは、やりたい放題なんだろうなぁ。

お互い、この年齢で始めたのだから、若い人より厳しい道かもしれないのは承知の上。諦めず、頑張りましょうねえ!
Posted by 麻子 at 2015年10月21日 17:11
麻子さん

目指しているところはだいぶ違うでしょうね〜
なにしろ、私のほうは「武士」ですから(笑)

アスリートの魂、NHKオンデマンドにはありませんでした。
なんでしたらお送りしましょうか?

麻子さんが目指すのは
「明鏡止水の心、電光石火の攻め」なんですね。

私は明鏡止水…ではないなあ〜。
いい言葉が見つかりませんが、私が試合の時は、そんなに落ち着いていませんね〜
私のキャッチコピー、考えてみます(笑)


しかし日舞モードの剣道…見てみたいです(^^)
おしとやかな感じになっちゃうのでしょうか?
発表会、がんばってくださいね。

稽古、しばらくお休みとは寂しいですね。
私も今日は他の用事があって行けなかったのですが…
早く行きたいです!

なんだか麻子さんとはどこかでつながってる感じがあります。
お揃いの手拭いでもつけて稽古しますか?(笑)
Posted by はなずきん at 2015年10月21日 21:45
はなずきんさん

そうですよね〜(^_^)
武士と町人(失礼?(^_^;))じゃあ、ねえ。
私も、具体的な言葉で「武士」と思ってはいませんでしたが、こうやって『町人』と書いてみると、やっぱり武士よりだと思います。
なんていうか、打って勝てばいいのではなくて、剣道をその精神から学びたいと思っているので。
でも、日頃は、お座敷で踊っているけれども (^_^)

山本選手の映像、youtube にあるかなぁ。
もし探してみてなかったら、お願いするかもしれません (^_^)

いえいえ、落ち着いていないからこその、『明鏡止水』です。自分に言い聞かせています。毎回稽古に行く道中、こじれてる相手が来てないといいなあとか思いながら、ドキドキしているので、「明鏡止水、明鏡止水。」と自分の心を鎮めています。

私が目指す試合は、1本目は専ら応じ技狙いで、「コイツ、自分から打って来ないのか?」と思わせての、2本目は、開始直後、電光石火の出ばな技狙いというところでしょうか…風林火山というか。

巻き技とかで相手の竹刀を落とす、一見卑怯な?技もやってみたいです。

将来的には、技のデパートみたいになりたいですね〜

とか言っちゃって、まだ『攻めとは?』のレベルのくせに(^_^;)

日舞も日が浅いので、ただの初心者剣道ですよ〜

1ヶ月以上、稽古に行けない感じなので、やめたと思われるかも。できたら今週末の稽古は、一時間でも出ようかな

そう、本当に、繋がってる気がします!
お揃いの手ぬぐい!いいですね(^_−)−☆
Posted by 麻子 at 2015年10月22日 16:36
麻子さん

私は池波正太郎の時代小説から「剣術好き」になったので…
やっぱり目指すは武士ですね〜。

私の憧れの「佐々木三冬」は、あの「田沼意次」の妾腹の子という設定になっていまして(もちろん架空の設定です)親に反発して、男装で剣術をやっているという…
もし、機会があれば「剣客商売(けんかくしょうばい)」ぜひ読んでみてください。

そうだ、剣道時代のDVD見ましたよ!
なかなか役に立ちそうな内容ですね〜。
全部は真似できませんが、竹刀操作でぐるぐる回すのとか…
稽古の合間にやってみています。
私、手首が固いのか弱いのか、案外難しいです。

麻子さんの目指す試合、いいですね〜
なんというか、やっぱり時代劇っぽいですね(笑)
ちょっと演出を入れたくなる気持ち、わかります。
でも、私もまだそんな余裕、全然ありませんけど…

巻き技、上手く決まるとカッコイイですよね!
でもあれこそ、手首が使えないと厳しいですよね〜。

山本選手のDVD、必要でしたら言ってくださいね。
メールで住所をいただければお送りします。
(メルアドは私のHPに書いてあります)
http://park11.wakwak.com/~tulip/index.html

お揃いの手拭い、いいのがないかと思って探してみたのですが…
「武士道」って書いてあるのはないのかな?と思ったら、案外ないんです。何かいいのがあったら教えてください(^^)
Posted by はなずきん at 2015年10月22日 17:19
はなずきん さん(^_^)

何故、こちらにコメント?と思われるかもしれません。
が、稽古がなかった間、動画で研究していたら、私のやってみたい剣道をしている選手に出会ってしまったのです。
そう、山本真理子選手です。
って、いまさらですけど……
こちらにコメントしていた時と目指す方向性が変わってきたからなのですが。

で、最近の稽古で、動き回る剣道を試してみたら、先生方みんなにことごとくダメ出しされてしまいました。

動いちゃダメなんですかねえ。
若い人の剣道と言われちゃったのですが、2段、3段の審査では、中高生を相手にしなくちゃいけないんですしね〜
はなずきんさんの先生方は、何とおっしゃっていますか?

今目下の悩み事でして。

いろいろ検索していたら、またこちらに辿り着いてしまったのでした(^_^)
Posted by 麻子 at 2016年09月19日 23:20
麻子さん

うちの先生もやっぱり、大人の剣道はあまり動き回らないほうが、と言っています。
体力が若い人ほどは続かないので、無駄打ちを減らして、確実に入る時にだけ打て、と言われますねえ。

大人でもスタミナがある人だったら動いてはいけないのか?というのは、私にもよくわかりませんがσ(^_^;)

ただ、私もこのブログを書いた時よりは動かなくなってはいます。
打った後にすぐ間合いを詰めるとか、積極的に攻めていくとかは変わってないですが、構えてから打つまでの時間は長くなっている気がします。
前よりは相手を見ること(機会を探すこと)に集中しているからですかね。
その分、前より打てなくなってる気もしますが(笑)まあ、過渡期だからなのかなと思っています。

高段者の先生は、比較的若くても動き回る方、いないですよね…
となると、少なくとも段審査では、年配の方がずっと動き回っているのは審査員にはあまりいい印象は与えないかもしれないですね〜。

「中学生 対 先生」でも、動かなくても先生のほうが強いですしね…。
大人だったら中学生とは違うスタイルでも相手できるようにならなくては、ということなんでしょうかね〜(難しいですけど…)
Posted by はなずきん at 2016年09月20日 09:39
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