2015年05月18日

少年剣道に入会する前に(4)揃える道具(防具編)

「初心者編」では、竹刀、木刀と稽古着について書きました。
今回は揃える道具の「防具編」です。


剣道では、通常は入会してしばらくは基本を学びます。
短くて数か月、長い場合は1年程度、防具をつけずに素振りなどの稽古で基礎が身に着いたら、いよいよ防具をつけて稽古をすることになります。

入会後、稽古着や竹刀を揃えて、ある程度上達してから防具を購入するケースが多いです。
防具と稽古着をセットで購入すると安く買える場合があるので、最初に一括で購入することもあります。



前回も書きましたが、道具を準備する場合、下記のようなパターンがあります。

1)自分ですべて購入する場合
2)会で中古品を貸したり販売してもらえる場合(たいてい無料か、安価で購入できます)
3)会指定の武道具店で購入する場合

このあたりの詳細については、少年剣道に入会する前に(3)揃える道具(初心者編)もご覧ください。

中古品を借りたり買う場合は、貸してくれる方が合うものを選んでくれるかと思いますので、この記事では新品で購入する場合についての解説をします。

なお、防具は名入れをしたり、該当のサイズが在庫がない場合もあるので納期が1か月くらいかかることもあります。
セールも後半になってくると品薄になったりして、なかなか品物が揃わない事もあるので、その期間を見込んで発注しましょう。

防具が用意できていないと、自分だけが同じ稽古に参加できなくて、子供がやる気を失ってしまう事もありますので、いつまでに準備すればいいのかしっかり会に確認しておきましょう。



【セット購入とバラ購入】

まず、全部でいくらくらいするの?という事ですが、ある店の今年の新入部員向けセールの値段を例に取ってお話しますと…。

※小学校低学年〜高学年向け

剣道着(上下)
竹刀1本と鍔と鍔止め
竹刀袋
垂ゼッケン(自分の道場名と名前が書いてあるもの)
防具袋
手拭

上記のセットで、25390円(税込)です。

防具の「面、小手、胴、垂」のセットで29160円です。

いずれもバラバラに買うより安いのですが、この両方をセットで買うとさらにお得になって、合計48600円となります。両方別々に買うと54550円ですから、だいぶ安くなりますね。


※小学校高学年〜中学生向け

上記と同じ内容で、剣道着のセットは25380円、防具のセットは38880円。
両方をセットにすると、58320円です。


だいたい、どこのお店もセットで買うと安くなる事がほとんどです。
バラバラに揃えていくとけっこう高くつきます。

ですから、最初にセットで買ったほうがお得なのは確かですが…問題は、自分の子供がちゃんと剣道を続けてくれるかですよね(笑)。
そこが不安な場合は、稽古着と防具は別の時期に購入する事が多いです。


我が家の場合は、次男は最初の会では稽古着も防具も借りていました。
しかし小手だけは中古品がなかったので、小手だけは自分で購入しました。

次の会に移った時に小手以外のものを揃えたのですが、「セットで購入して、小手だけ入れないでもらう」ほうが、バラで揃えるより安かったです。
セットになっていても、いらないものを省くことができる事も多いです。



【価格の違い】

防具の値段はピンからキリまでありますが、安いものと高いものはどこが違うのでしょうか。

一般的には、よく売れている大手のメーカーほど、大量に作れるので安くできる傾向にはあります。
また洋服と同じで既製品は安く、オーダーで作るものは高いです。しかしオーダー品などは、大人のある程度の上級者が使う場合が多いです。子供はサイズがすぐに変わりますし、初心者のうちは高価なオーダー品は必要ないでしょう。

他にも値段の違いの要因はいくつかありますが…

国産なのか海外製なのか
(中国製が多いですが、日本のメーカーが作らせています。国産品はかなり高いです。)
素材の良し悪し
作りの良し悪し(手製なのか、機械製なのか)
などがあります。


素材や作りは、使いやすさや耐久性、厚み(薄いと打たれた時に痛いです)などに影響します。
一般的には高い道具のほうが質も高いですが、「飾りが多いか少ないか、珍しい素材か」などでも価格は変わってきます。

剣道を続けて段などを取るようになれば、デザインなどにもこだわることもありますが、初心者のうちはシンプルなものでいいかと思います。
大人の場合は「高段者はそれに見合った服装や防具を着用する事」を求められる世界ですが、高校生くらいまではあまり気にしないでいいでしょう。


一般的に価格が高いもののほうが作りもいいので、使いやすく、打たれた時に痛くありませんが、子供の習い事にそこまでお金を出すのも躊躇がある方もいるでしょう。
お子さんが全くの初心者で、特に親にこだわりがないのであれば、その店で一番安いセットでもほぼ問題ない事が多いです。(あまりに相場より安い場合は粗悪品の場合もあるので、注意が必要ですが。)

お店の方が「売らんかな」であったり、適当な接客のところは要注意です。
初心者の質問にも丁寧に相談に乗ってくれるお店は、そんなに質の低いものは売っていませんので、店員さんの対応も参考になるでしょう。

ネット通販では安いものも出回っていますが、全くの初心者の場合は品質やサイズの見極めが難しいので通販はあまりお勧めしません。名入れで作ったりすると返品もできませんし…。
合わないものを買ってしまうと結果的に高くつきますので、多少高くても最初は実店舗で購入されたほうがいいかと思います。



【個々の防具の説明】

購入する時は全部をセットで購入する事が一般的ですが、防具をつけ初めの頃は、まず「垂(たれ)」と「胴(どう)」のみをつけて稽古する事が多いです。
それに慣れてきてから、「面(めん)」と「小手(こて)」をつけて稽古します。


≪垂≫

「垂」は、腰に巻くもので、厚手の布でできています。
体の中央にあたる「大垂(おおだれ)」に、道場と個人の名前を入れた「垂ゼッケン」をつけて使います。

垂ゼッケンは、以前は「垂ネーム」とも言っていたので、そう呼ぶ人も多いです。
垂ゼッケンは袋状になっており、大垂にすっぽりはめる形で使います。
会でまとめて作る場合もありますし、垂を購入する時に一緒に防具店にオーダーして作ってもらう場合もあります。
お下がりなどの垂がある場合は、垂ゼッケンのみを作ります。
字体などに会の指定がある事もあるので確認してから作りましょう。

垂ゼッケンには、通常は姓名の姓のみを入れますが、兄弟や同姓の子が同じ会にいる場合には、片方に名前の一文字を姓の横に入れることもあります。


≪胴≫

その名の通り、胴につけるもので、プラスチックやファイバー製のものが多いです。(高段者になると、竹製などを使用したりします)
一番目立つ部分なので、飾りのデザインのバリエーションは多いですが、今はシンプルなものが主流です。女の子だと赤胴にする子もいます。(男の子でも赤胴はいない事はないです。)

やや大きめを選んで長く使う場合が多いですが、あまり大きいと動きづらいです。



≪面≫

頭にかぶるものです。垂や胴はサイズのバリエーションはそんなにありませし、多少大きくてもそんなに問題はないのですが、面は自分の頭の大きさにぴったり合っていないと使いづらいです。
購入する際はきちんとお店で採寸して、本人に合うサイズで作ったほうがいいでしょう。

お下がりなどでサイズが大きい場合は、面布団や顎あて(面の中に入れるクッション)などで調節をします。


≪小手≫

手にはめるグローブのようなものです。
手で握る部分が合皮のものが一般的ですが、少しいいものは鹿革でできています。鹿革のものはかなりケダモノ臭いです(笑)。

少年用の小手は大人用ほど厚くできていないので、小手を相手に打たれてすごく痛いと感じる場合は、小手下(手にはめるサポーター)をつけて使うといいでしょう。

新品は硬くて動かしづらいので、なじませるために家で小手をつけて素振りなどをしたり、もみほぐしたりするといいです。


≪手拭い≫

通常「面タオル」と呼びますが「面手拭い」とも言います。
面をかぶる前に頭に巻いて使います。
汗を吸ったり、防具とのスレを和らげたり、打突の衝撃を和らげるために使うものです。

一般的には、会指定のお揃いの手拭いを購入させられて、試合や出稽古の時など公式の場面ではその手拭を使うことが多いです。
しかしふだんの稽古の時に使うものは特に指定はない事が多いです。

剣道用の手拭いは、一般的な手拭いより長めにできています。
小学校低学年くらいまでの小さいお子さんは、剣道用の手拭いだと長すぎて、巻くと余ってしまうことが多く、巻きづらいです。
小さい子は、稽古の際は普通の手拭いサイズのものを使ったほうが巻きやすいでしょう。
小学校中学年以上であれば、剣道用の長い手拭いのほうが巻きやすいです。

剣道用でない手拭いは素材や織り方もさまざまで、剣道用として向いていないものもありますので注意してください。生地の表面がつるっとした感じのものはすべって巻きづらいです。

また、新品やそれに近い状態のものは滑って巻きづらいので、新品の場合は使用前に洗濯して糊を落としておきましょう。何度か洗ってからのほうが巻きやすくなります。
手拭いは、やや古いくらいのほうがしっかり巻けて使いやすいです。

手拭いは洗剤で洗わないで下さいと書いてあるものも多いのですが、私は洗濯機で洗っています…。やや色落ちが早くはなりますが、さほど問題はないと思います。



≪防具袋≫

ボストン型、リュック型、トート型、キャリー型、キャスター型 などがありますが、小学生にはリュックタイプをお勧めします。だいたい3000-4000円程度です。
防具自体が重いので、他のタイプの袋は小さい子には持ち歩きづらいです。
ナイロン製が一般的です。綿の帆布素材のものもありますが、ナイロンより重くなるのであまり子供にはお勧めしません。

リュックを購入する場合、小学生以上なら大人サイズを購入する事をお勧めします。
袋のサイズに余裕があるほうが、防具がしまいやすいからです。
また、リュックタイプでも外ポケットがあるもののほうが使いやすいです。
幼稚園児には大人サイズの防具袋は大きすぎるので、子供用がいいでしょう。

紺色のものが一番出回っていますが、赤や茶色、黒などの製品もあります。
みんな同じような袋を使っているので、色が派手なほうが見つけやすいです。
紺色を選んだ場合は、目立つキーホルダーなどをつけてあげるといいでしょう。



【お手入れ】

最初の頃はそんなに防具が傷むことはないと思いますが、上級になるにつれ傷む部品などの交換が必要になってきます。
特に面ヒモや胴ヒモなどは部分的に擦れて切れやすいので、時々チェックしておくといいでしょう。
試合中に切れたりすると困りますので(実際によくあります)、傷んできたと感じたら予備用のヒモなども用意しておいたほうがいいです。


また、防具の中は相当汗を吸いますので、きちんと乾かさないと面や小手の内部はかなり臭くなります。
面の中などは、使った直後に固く絞ったタオルなどで拭いておくと良いですが、私は面倒なので剣道用の消臭スプレーやエタノールのスプレーを面と小手の内部に吹いておいています。
剣道用の消臭スプレーは専用なだけあって効果も高いですが、お値段もちょっと高いのが難点です。
ファブリーズなどを使われる方もいるようですが、香料が入っているタイプのものを面に使うとつけていて気持ち悪くなりますので、無香料のものを使用しましょう。

それでも多少においが出てくることがあるので、その時はやや湿らせたタオルでしっかり拭いています。
中古品などで、すでににおいが強い場合はクリーニング(専門の店があります)に出すといいでしょう。

また防具を使ってすぐ防具袋にしまって放置してしまうと、かなり臭くなってしまいます。
面倒でも毎回きちんと外に出して保管し、きちんと乾かしてからしまいましょう。ただし、直射日光に当てると色落ちしたり革が傷んだりするので、風通しのいい場所で陰干しにします。
我が家では、ふだんはスチール製の棚(エレクターもどき)に置いてあり、使う日に防具袋に入れて持って行くようにしています。防具を干すにはわりと場所を喰うので、それなりのスペースを確保しておいたほうがいいです。
防具袋の中もだんだんにおってくるようになるので、たまに水拭きして乾かして使うといいです。


また竹刀も消耗品ですのでお手入れが必要です。
特にささくれができていると、打った時に取れて相手の目に入ったりすることもあり危険です。
また、弦(ヒモ)や中締め(竹刀に巻いてある革)がゆるんでいるのも良くありません。時々締め直しが必要です。

公式試合の時には竹刀の検査があり、きちんと手入れされている竹刀でないと使えませんので、手入れの方法などを先生や上級者に確認しておきましょう。
子供自身がチェックしてメンテナンスできると一番いいのですが、小学校低学年くらいでは難しいかと思います。高学年くらいになれば、教えればできるようになると思いますが。
一般的には、試合前には先生や上級者がチェックしてくれる事が多いですが、親も時々気を付けてみてあげるといいでしょう。

武道具店でも竹刀や防具のチェックをしてもらえますので見てもらうといいでしょう。
一般的に、そこで購入した商品であれば、状態のチェックや部品の締め直しだけであれば無料でしてくれますが、部品交換の場合は、部品の実費を払うことになります。
本体が壊れているわけでなければ、技術料など別にはいらない事がほとんどです。

自分でお手入れしたい場合には、以下の本がおすすめです。
「剣道用具マニュアル」
この本は一般の書店ではほとんど売っていませんが、武道具屋さんにはだいたい置いてあります。
ただこの本も、全く知識がない人には若干わかりづらい部分もあるのですが…。


以上、防具について知っておいた方がいい事をまとめました。
他に知りたい事があれば、コメントなどで遠慮なくご質問ください。


少年剣道に入会する前に(5)剣道で身に着くもの(その1・礼儀編)に続きます。

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posted by はなずきん at 20:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 剣道お役立ち情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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