ここで、大人担当のN先生が、みんなを集めて「小手」のレクチャーをしました。
こういう時は、N先生が誰かを指名して「見本」として見せることが多いです。
まずは、当会の会長、UH先生の「見本」です。
「みなさん、竹刀の先の動きをよく見ててくださいね!」とN先生が言います。
UH先生の小手は、本当に「最小限の動き」で、相手の小手にちゃんと当たっています。
「ほいっ」と竹刀を前に出しているだけみたいに見えますが、手の内が効いているので「バシッ」といい音がします。
そして次に、SN先生の「見本」です。
SN先生は、当会のメイン指導の先生です。たしか今年還暦と聞いたような。
高校時代にインターハイに出たこともある猛者ですが…N先生とは違う系統の剣風(SN先生はやや、学生剣道寄りかも?)なので、小手もわりと大振りです。
もちろん、きちんと当たってはいるのですが、N先生には
「ちょっと、大振りすぎますよ〜」
と言われていました。
で、次に…
「見本」として指名されたのは…、私だったのです!
えええっ!?
私が「見本」をやらされることなんて…
いままで、1回もなかったですよ?
私がやるとしたら「ダメな見本」のほうばかりでしたから…
いったいこれは、どっちのつもりで指名されたんだろう?と思いつつやったのですが…
私が、IZさん相手に打った小手は…
2本とも、スパーンと、…キレイに入りました。
この時、周囲で見ていた人たちから…
「うん、いいね!」
という、肯定的な空気になったのが、伝わってきました…。
N先生が、みんなに向かってこう言いました。
「今の小手は、良かったですよね?
UH先生は本当に最小限の振り、SN先生はちょっと大振りで、その中間がはなずきんさんという感じですよね。
このくらいの振りで、ちょうどいいんじゃないかと思いますよ。
はなずきんさん、だいぶ良くなりましたね。いいと思いますよ!」
「…はいっ、…ありがとうございます!」
…いやもう、この時は…嬉しかったの、なんの。
私が。
N先生に、みんなの前で、技のことをほめてもらえるなんて…、
そんなこと、これが初めて…、だよね。
すごく、うれしくて…、面の中で涙がにじんでしまったのですが…、
それは、たくさんの汗と一緒になって流れていきました…。
この日の私は、本当に気合いが入っていたのですが…
そのせいで、上手くできたのかなという気がします。
今まで私は、いろんな先生に
「もっと自信を持って!」
と言われていたのですが…
ああ、こういうことだったのか、と思いました。
私はどこかいつも「自分はできていない」という、引け目があったのでしょう。
それが「打ち」にも出てしまっていたのでしょうね。
稽古にはたくさん出てきましたから、私の頭の中に「理屈」として入っている知識は、とてもたくさんあるのですが…今までは、それがなかなか自分の体の動きに結びついていなかったのです。
今日は「気合い」があったのと、姿勢をよくしようという意識があったから、それが上手く結びついたのかもしれません。
その後、相面、各人がやりたい技などをやって…地稽古になりました。
いつもは
「打とうと思うあまり形が崩れて、手打ちになってしまう」
ので、できるだけ姿勢に気を付けて…
気を付けないと、上半身に力が入ってしまったり、前傾してしまうので、ときどきリセットしていました。
あと、いつも「腰が抜けてる」と言われるので、お腹に力を入れるように気をつけました。
そして「待ち」にならないよう、積極的に攻めるようにしました。
いくら気合があっても、やっぱり地稽古ではなかなか「一本」は取れませんでしたが…
いつもは、地稽古も何本目かになると疲れてきちゃって、気が抜けがちなのですが…
この日はわりと、気合いを維持できたまま、最後までできたと思います。
次に、かかり稽古です。
この日は、全力で地稽古をしていたので、かなりつらかったですが…
かかり稽古は2回やったのですが、2回目のかかり稽古では、息が上がっちゃって、過呼吸になるかと思いました(^^;
でも、1回目、SZさんが元立ちでかかり稽古をやった時は、SZさんが空けてくれたところを全部、打つことができました。
いつもは
「小手をあけられてるのに面を打っちゃう」
みたいなことが、よくあるのですが(^^;
きっと、この時は…集中力が上がっていたのですね。
一回だけ胴を空けてくれたのですが、パーンと気持ちよく入って!楽しかったです。(^^)
(胴は、けっこう得意なんです!)
かかり稽古が終わり、稽古終了です。
最後のかかり稽古のせいで、けっこう息が上がっていましたが…
正座して、黙想している間…ものすごい、充実感がありました。
警察の時は「とにかく声を出せ」と先生にいつも言われていたので、最初と最後のあいさつもけっこう大きい声でしていました。でも、当会ではそんな雰囲気ではないので、いつもは普通の声で言っていたのですが。
この日の最後は、警察時代のようなでっかい声で
「ありがとうございました!」
と、言ってしまいました(笑)
最後、N先生のところにあいさつにいきました。
いつも、N先生には「ダメ出し」されることのほうが多いのですが…
「最近、切り返しなんかも、”早く振ろう”って意識しているのがわかりますね。
(そのことは、最近、何度も注意されていました)
それでいいと思いますよ。これからもしっかり意識してやっていってください」
と、言われました。
もちろん、私がそんなにすぐ「できるようになる」わけはないのですが…
私が「やろうとしている」ことは、きっとN先生にも伝わったんだな…と思いました。
なかなか上達しないので、最近の私はどこか気が抜けてしまっていたのかもしれません。でも、本気で取り組めば…もう少しは、上手くなれるのかもしれない。
今まで、私には「この先上達できる見込み」が、全く見えてきていなかったのですが…。
この日は、一筋の光が……、見えた気がしました。
しかし…私、今まで、ここまで真剣に稽古に取り組んだことがあっただろうか。
「あんまりやりすぎると、バテちゃうし」
なんて、少〜しずつ手を抜いていたのかもしれません…。
とはいえ、大人には、無理は禁物です。
限界になりそうだったら、休んだほうがいいのです。それで肉離れしちゃったこともありますからね(^^;
でも、最近は…、限界になるわりと前に、手を(気を?)抜いていたのかも。
そこまでがんばらなくても「できる人はできちゃったり」するのですが。
私は、それでは、ダメだったということなのでしょうね。
自分で言うのもなんですが、この日の私は
「ひと皮むけた」
感じだったのではないでしょうか。
私にも、ここまで気合を入れてがんばることができるんだな…と、思いました…。
「全力で稽古をやる」
って、大変なことですけれども。
本当に大事なことなんだな…と、思いました。
私は、稽古の後の「疲労感」も好きなのですが。
この日は本当に「やりきったなあ」という感触が、ありました。
いつもこんな風に、上手くいく日ばかりではないでしょうけれども。
これからも
「全力で稽古する」
を、こころがけたい、と思いました!
「「全力」で、稽古するべし!」前後編は、これで終わりです。
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