2018年11月17日

母だけの剣道日誌(12)西村選手出演の「アスリートの魂」を見て(前編)「下がって勝つ剣道」からの脱却。

ひさしぶりの剣道の話題です。

昨年は全日本剣道選手権を会場まで見に行き、その後録画した試合を見て研究しながら記事を書いたのですが…
昨年優勝した西村英久選手のことは、私はそれまであまり良く知りませんでした。

母と子の剣道日誌(252)全日本剣道選手権に行ってきました!(その5)準々決勝、西村対山本&真田対畠中
母と子の剣道日誌(255)全日本剣道選手権に行ってきました!(その8)準決勝、西村対畠中。西村選手の「計算」
母と子の剣道日誌(256)全日本剣道選手権に行ってきました!(その9)決勝戦…勝負は開始直後に決していた。

昨年の試合を分析した時に、準決勝で、西村選手は反則を1回した相手に「竹刀落とし」をかけようとしたり、故意に裏交差をしたりということが見られたので、

「ちょっとズルい戦法を取ることがあるんだな。
勝つためなら手段は問わないのかなあ」

という印象を受けました。

西村選手は勝つことに対する執念が強いんだな、その気持ちはスゴイな、とは思いましたが、私は「真正面から堂々と行く戦法」の人が好きなので、西村選手の戦法はちょっと好みじゃないなあ〜と思っていました。


そして…
今年の韓国での「世界剣道」は、ネットでの画像配信しかやっていなかったのですが…
試合動画では選手が小さく写っていて非常に見づらかったので、私は決勝戦以外は、ファンである安藤選手の試合しか見ませんでした。
西村選手の試合はさほど良く見ていなかったのです。

今年の全日本剣道選手権でひさしぶりに、テレビで西村選手の試合を見たわけですが…
今年はそんなに「分析」をしたわけではないので、ベスト8以降の戦いだけを見たのですが
「西村選手、2連覇するなんてスゴイな。昨年より、さらに強くなってるかも」
と感じていた、という程度でした。

※全日本剣道選手権で2連覇した選手は、過去に2人しかいないのです!


ところで…
全日本剣道選手権の数日前に、NHKの「グッとスポーツ」という、スポーツ系のバラエティ?番組で西村選手が出ていたのですが…
西村選手は、気さくでお茶目な人なんだなあ〜と思いました。

一番最初に、番組の進行役である「相葉」と、「お互いに打突部位につけた紙風船を、先に割ったほうが勝ち」という勝負をしたのですが…。

相葉は全く剣道経験がないので、ハンデとして…
相葉はつけている紙風船は「右小手」のひとつのみ。
西村選手は左右の小手と面と、左右の胴の5つの紙風船をつけました。
そして、西村選手のみは小学生用の短い竹刀です。

これで相葉は「勝てそう」なんて言っていましたが…剣道経験者からしてみれば
「この程度のハンデなら西村選手が勝つに決まってるでしょ」
と思いますよね〜。
超へっぴり腰の「相葉」は、ちょっぴり西村選手の右小手の風船にかすったものの、やっぱり西村選手があっさり勝ちました(笑)

そもそも、相葉が付けている風船がひとつとはいえ「右小手」って…そこ、西村選手が一番打ちやすいところじゃないですか!(^_^.)
西村選手の戦法を知っている人が見たら「これ、ハンデになってないよ」って思うでしょう。(笑)

そこでさらにハンデを追加して…。
西村選手は床に描かれた狭い円の中から出てはいけないというルールでやりましたが…
いやいや、そのハンデもむしろ西村選手に有利じゃない?
だって、相手は必ず、前方からこっちに攻めに来てくれるんだから、狙いやすそうですよ。

そしてわりと簡単に西村選手が勝ったのでした。やっぱりねえ〜。
ここで万が一、西村選手が負けたら番組の流れが上手くいかないでしょうから、わざと絶対勝てるようなハンデにしたのかも?(^_^.)とか、うがって見てしまいましたが。

でもその時に
「勝てて超嬉しい。全日本剣道選手権で優勝するより嬉しかった」
と西村選手が言っていたので、笑ってしまいました(笑)。


その後には、(西村選手いわく)「売れ残りのケバブ」みたいな、カクカク、ガッツリした筋肉のついたふくらはぎを披露してくれまして。
小手を打つ時に左足で跳んでいる様子もスローで見せてくれました。

しかし、この番組では、剣道が空前のブームとか言っていたけどホントなんですか?
そりゃーリバ剣さんとか外人さんの剣道人口は増えてるかもしれませんが…
子供の剣道人口は減ってるんじゃないのかなあ〜。


ところで、この番組の構成上のコンセプトなんだと思いますが、中で何度も「武士道」という言葉が出てきて…
西村選手は時代劇も好きで、武士道も好き…みたいな話が出ていました。
時代劇を、西村選手が演じるなんてのもやってましたねえ。

でも、私はこの番組を見た時には、正直なところ
「西村選手の戦法は、正統派の武士道かというと、ちょっと違うのでは?」
と感じていたのです。


そして…
全日本選手権が終わった後、ふたたびNHKの「アスリートの魂」という番組で、西村選手の特集をしていたのですが。
この番組の内容は、私にとっては「けっこう意外」で、とてもいい話だったので、紹介させていただきますね。


大分出身の西村選手は、小学2年で剣道を始め、中学生まではずっと「面で勝負する」戦法だったのだそうです。
高校は「剣道の名門にして強豪校」の熊本・九州学院に進学したのですが、身長も高くはなかった西村選手は、それまでの「面を狙う」戦法では通用せず…
高校時代は小手を必死に練習して、勝てるようになったのです。

それからは
「相手が攻めてきたら下がってかわし、相手が前に出たところに小手を打つ」
という「下がって勝つ剣道」で勝ってきたのですが…

西村選手は、心の奥底では、
「下がって勝つ剣道は正統派ではない」
と、納得できない想いでいたのです。


2年前の熊本地震の時に、熊本県警の機動隊員として救出作業に携わった西村選手は、たくさんの人の死を見て
「剣道なんてして何になるんだろう。人が助けられるわけではないし」
と、剣道に対してやる気を失っていました。

地震の1年後、機動隊によって倒れた建物の下から救出された高齢の女性が、警察にお礼に来ました。
「私の命は皆さんに助けられた命です。100歳まで精一杯生きます」
と語る女性の言葉を聞いて、西村選手は…

「生かしてもらった命を十分に使おうと思っている人がいて、あの年になってまで頑張って生きようと思っている人がいるのに、自分も精一杯一生懸命生きなくては。
剣道をするにしても悔いのないような生き方をしたい。
(下がらない剣道を)貫き通して、結果を出したい


と、感じたのです。


そして、昨年、全日本剣道選手権で優勝したことで、それまでの心境とは代わり…
「下がらなくても勝てるはず」
「これからは前に攻める剣道にしていきたい」
と決意したのでした。


(続く)


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posted by はなずきん at 20:43 | Comment(0) | 母だけの剣道1(三段に向かって) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする