剣道には、竹刀のお手入れという作業がつきものです。
といっても、剣道をしていても自分ではやらないという方も多いですが…。
竹刀は使っているうちにささくれてくるので(ささくれは大変危険です)ささくれを削るくらいは大人ならやる方が多いと思いますが…
それ以上のこととなると、武道具屋さんとか先生、できる大人の人に頼んだりしてやってもらったりする方もけっこういらっしゃるのではないでしょうか。
私はまだ自分が剣道を始める前から、子供の竹刀のお手入れをしていました。
母と子の剣道日誌(14)竹刀の部品交換にチャレンジ!
次男が剣道を習い始めたばかりの頃は「こんなこと、親がやるの〜?先生が見てくれるもんじゃないの?めんどくさ〜」って感じでしたが、会を移ってから、剣道そのものが好きになってきたので、できることはやってみたい!という感じになりまして。
この頃から「中結の締め直し」「弦の張り直し」から始まって、「柄革の交換」くらいまではやっていました。
「中結(竹刀をぐるっと巻いて止めている革の紐)の締め直し」「弦(竹刀に張ってあるヒモ)の張り直し」は試合の前には必ずする作業です。点検していないと、その竹刀は試合に使えませんので。
先日は、自分の竹刀の柄革(手で持つ部分の革)がちょっと長かったので(体格に合わせた長さにしたほうが、持ちやすく振りやすいのです)それを短くするという作業をやりました。
柄革を縫ったりするのが大変そうだったので、武道具屋さんにお願いしてやってもらったほうがきれいにできそう…とは思ったのですが、うちの近くの武道具屋さんは、自分の店で販売した竹刀以外のメンテナンスはやってくれないのです!(汗)
私は今の竹刀は別の武道具屋さんで購入したものなので、依頼することができません。
有料でもいいからメンテナンスくらいやってくれればいいのにって思うのですが…
革や弦などの部品を外して、柄革を外して裏返し、切って縫って短くするという作業をしてから、また柄革を戻すのです。
この「裏返し」がかなり大変だったのですが、苦戦のうえなんとかできました。
そして今回は…初の「竹刀の組み換え」にチャレンジしてみました。
竹刀というのは、4本の竹の棒を組み合わせてできています。
打つ(当てる)部分は決まっているので、そこだけ竹の傷みが激しいのですが、その部分の竹だけ交換して作り直してまた使う、ということができるのです。
ちなみにこの作業「後家竹刀(ごけしない)を作る」と言います…。
後家って…、死語ですよね…(笑)若い方は聞いたことがないのでは?
後家とは、結婚してから死別によって、一人になっている女性のことを指すのですが、その後再婚しても「あそこは後家さんをもらった」とか言われるわけです。
私が子供の頃はまだ使われていた単語のようですけど、最近は聞かないですよねえ。
つまり「一回使ったものを、また使い直す」ってニュアンスなのでしょうか。
いまどき、差別用語と言われかねない単語ですけれども(笑)
まあ、後家の意味はさておき(笑)
私はこの「竹刀を竹の棒の状態に戻してから、また組み立てる」という作業は、今までやった事がありませんでした。
自分の竹刀は違う種類のものを1本ずつ、合計2本しか持ってないし、今までは竹刀が傷んだら丸ごと新しいのに変えていたので、竹の組み換えはしたことがなかったのです。
組み直すのは大変そうだし、自分の竹刀で失敗したら嫌だし…。
違う竹刀に使っていた竹を組み合わせるのは、合わせる時に細かい調節が必要そうで、難易度高そうだな…、と思って敬遠していたのです。
それなのになぜ私が「後家竹刀作り」をやることになったのか?というと…。
次男が今年から中学生になって竹刀のサイズが変わり、前のサイズの竹刀は使わなくなりました。
で、傷んだ竹刀が2本、不要になったのですが、ちょうどこのサイズの竹刀が、剣友会のストックにないのです。
先日、小学校5年生の子が体験入会をしたのですが、そのサイズの竹刀が会のストックにはない事がわかって、次男の小学校の時の竹刀(傷んでいないものも1本ありました)を貸したんですよね。
で、余っている傷んだ2本の竹刀は…ささくれている部分はけっこうささくれているので、もう捨ててもいいくらいの感じなのですが、打つのとは反対側の竹は、まだ使えなくもないのです。
稽古で相手を打つのに使うのにはややボロい感じなのですが(笑)、見学の方が「振り回す」程度なら、この「傷んでない部分」を組み合わせたら使えそうな感じです。
というわけで、2本の竹刀から傷んでない竹だけを組み合わせて1本の竹刀を作って、会に寄付しようと思いまして…傷んでる竹刀は次男の使うサイズでもないし、もはやいらないものなので、失敗してもなんてことありません。
なので、今まで躊躇していた後家竹刀作りに初チャレンジした、というわけなのです。
作業は土曜日の午後2時頃始めて、終わったのは午後4時半くらいでした。
全部で2時間半かかったことになります。専用の工具が揃っていたわけではないし、竹を切ったり、やすりで削ったりの作業などもあったし、初めてなのでこんなものでしょう。
柄革を交換するだけで3時間かかっていた3年前に比べれば、まあ慣れたと言えますかね(笑)
ただ、細かいところの仕上がりはイマイチだったのですが、まあ、見学者への貸出用の竹刀だし…、ガンガン打って使うわけではないので、まあいいかって感じです。
さて、次回以降、実際の手順を紹介したいと思います。
母と子の剣道日誌(94) 初挑戦!竹刀の組み換え(その2:竹刀の分解)に続きます。