2016年05月02日

母と子の剣道日誌(71)ありがたき、会長の恩

私のいる剣友会の会長のY先生は、長年会長を勤めていらっしゃいました。
が、昨年、体調を崩されたのと、奥様もご病気ということで、会長職を退くことになりました。

Y先生は、70代の男性で7段をお持ちです。
詳しく聞いたことはないのですが、剣道歴はかなりの長さでしょう。剣道と共に歩んできた人生、なのだと思います。

何度かお相手していただいた事がありますが、動きは少ないのに全く打ちこんでいけません。中心から全く剣がぶれないのです。私だけでなく、もっと高段の先生と稽古されるのを見ていてもそんな感じです。

例え体があまり動かない老剣士であっても、血気盛んな若者にも負けない、違う強さが出てくるのが、剣道の奥深いところだなとよく感じます。


Y先生は一見、厳しそうな雰囲気に見えますし、言う事はズバッと言ってきますが、相手の事を思って下さっているのがわかります。内面はきっととても優しい方なのだと思います。

昨年もそんなに稽古に出てきている回数は多くはありませんでしたが、来ている時はみんなに目を配っていて、「ここをこうしたほうがいいよ」とか「前より良くなってるよ」とか、子供にも大人にもよく声をかけていました。



Y先生は、私が入会した当初から、何かと気にかけて下さっていました。

以前いた会では、私は先生には「できてない」という事ばかり言われていました。
確かに上達は遅かったですが、やる気もあって、一生懸命努力をしていたのに、ほめてもらった事などほぼありませんでした。
なので、今の会に移ってくる頃には、すっかり自信を喪失していたのです。


入会当初に「初心者で、全然できてないんです」と言う、私の稽古の様子を見て、
「あなたは初心者じゃありませんよ。ちゃんと基本はできてます。自信を持ってやりなさい」
と言ってくださったのが、Y先生です。

これは、私をやる気にさせるためのお世辞なのかな…、と思いながらも、
それまでほめてもらった事などなかった私には、その言葉がどれだけ有難かった事でしょうか。


それからも何かと、私のできてないところ、できているところ…、
いろんな事をアドバイスいただきました。
そのたびに、本当によく見てくださっているんだな、ありがたいな…、と心強く思ったものです。



しかし、昨年の冬頃から、Y先生は来る回数が激減していました。
おそらく、奥様のお具合が悪かったのかと思います。

私が1級審査に落ちたのが1月。
その後、Y先生にお会いしたのは、2月末頃だったでしょうか。

審査直後は落ち込んでいたものの、その頃には気を取り直していた私ですが…
ひさしぶりに会ったY先生の、私への第一声は、
「思ったより元気そうで良かった」と。

私が審査に不合格だった事は、他の先生から聞いていて、
私が落ち込んでいるのではないかと心配していたのでしょうね。

「これで、あきらめちゃだめだよ。気にすることない。
次は絶対受かるから、受けなさいよ。」

Y先生はそう言って下さいました。
ああ、Y先生は、私に会ったらそれを言おうと、ずっと思っていてくれたんだな…、
もう、それだけで十分、嬉しかったです。



そして昨日の稽古で、またひさしぶりにお会いしたのですが…
まもなく1級審査がまたあるので、それに向けた稽古をしていたのですが。

「前、落ちたということを気にして上手くいかなくなる人もいるけど、気にしちゃ駄目だよ。
落ちたらまた受ければいいんだから。何度でも受けられるんだから。」

そう言って下さいました。
Y先生は、稽古に来ない間も私のことを気にかけてくれていたのですね。

「はい、落ちたら受かるまで何度でも受けます。がんばります」
私は、そう答えました。



正直、次の審査に不安がないと言ったら嘘になります。

ちょっと前に当会の先生から、私が1級審査を受審した時、審査員の先生たちの間で、合否どちらにするのかちょっと論議があったらしい、と聞きました。
つまり、問題なく合格というレベルには達していなかったが、かといって全然ダメ、というわけでもなかった…ということなのでしょうか。

しかし、前回の審査から、果たして私がどれだけマシになったのか…というと、がんばっていたわりには、さほど変わっていない気がします。
「手を引きつけて打つ癖」は、前よりはよくなったようですが、焦ると出てきてしまっています。
それにまた、強い相手に当たってしまったら、一本取るのは難しいかもしれません…。
前と全く同じ審査基準だったら、例え失敗をしなくても、また落ちないとは言い切れないです。



でも…、やるしかない、です。
受けなければ、受かることもないのですから。



Y先生、大人担当のN先生をはじめ、どの先生も今回こそ私に合格してほしいと思っているようです。
審査まであと一か月ですが、できるだけの努力はしたいです。
それが教えてくれたこと、見守ってくれていたことへの恩返しかな…と思います。


過信はせず、でも「絶対受かるんだ」という気合いを持ってのぞみたい。
次にY先生にお会いする時には、いい報告をしたい、です。


posted by はなずきん at 10:14 | Comment(5) | 親子で剣道2剣友会編(1級まで) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする