2015年11月17日

我が家の次男坊(その2)小学校最後の運動会、どうなる?

前回に引き続き、我が家の次男について書きたいと思います。

次男は、剣道以外のスポーツはほとんどやったことがありません。
体育の授業と、クラスのレクリエーションでやるドッジボール、程度しかやったことがないのではないでしょうか。

小さい頃は外遊びが好きだった長男、長女と違って、次男は家にいるのが好きでした。
外に行ってもひとりだと何をしていいのかわからないようで…
学校で、担任の先生に「外で遊んで来い!」と言われて教室を追い出されても、外に出たふりをして図書室に行くような子なんです。
小さい頃から今までずっとそんな感じなんです。

家にいたとしてもうるさいのが長男、長女ですが、次男は物事に集中している時はかなり静かです。
本の中でも図鑑の類が大好きで、読みだすとあまりにおとなしくなるので、あれ、いなくなったか?と思うくらいなのです。

そして次男は絵が得意で、絵を描きだすとかなり集中しています。昔漫画っぽい絵を描いていた私から見ても、なかなかの線を行っていると思います。
それで喰っていけるかどうかはともかく、将来プロになれるくらいの素養はあるんじゃないでしょうか。
(ちなみに主人は、いちおう元美術系のプロなのですが…主人に似たんでしょうねえ)

最近描いたのはこんな絵です…

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この絵、名付けて「ギガ鳥獣」です(笑)。
次男の国語の教科書で、「鳥獣戯画」の紹介をしている文章があったのですが…
音読の宿題で次男がそれを読んでいる時に、私がふと「鳥獣戯画をひっくりかえしたら、ギガ鳥獣だよね。なんか怪獣みたいじゃない?」と言ったら、次男がこの絵を描いてくれたという。
カエルと兎の部分は鳥獣戯画の模写ですが(次男は模写が得意なようです)、周囲のビル群や飛行機は次男は何も見ないで描いています。
小さい頃から、適当に描いてても構図が決まってるんですよね…。

次男は怪獣が大好きなのですが、怪獣の容姿が…というよりは、怪獣が街を壊すシーンが大好きなのです。
とにかく破壊が大好きで、小さい頃は積み木などでも「作っては壊す」遊びが大好きでした。
特撮が好きなので、ミニチュアも大好き。女の子向けのおもちゃの「シルバニアファミリー」も好きで、かなりきれいに町並みを作るのですが…実は、それを怪獣気分で壊すのが一番の楽しみなようです…。

ミリタリー好きな次男は、ふだんは兵士の絵とか戦場の絵ばっかり描いていますが、その書き込みがまあ、細かいこと!
周囲のビルや家はもちろん、積んであるダンボールとか、置いてあるバイクとか、とにかくちまちまといろんなものを描きこんであります。そしてひとつの絵の中にたくさんの兵士を描くのですが、ひとりひとりにストーリーがあるようで、全部ポーズや表情を変えています。

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主人も絵のプロですが、こういう「ちまちま」系ではないので(むしろそういうのは嫌いなほう)、次男の根気はたいしたもんだと言っています。
ふだん、宿題をやる時などは「めんどくさ〜」「こんなんやってられん」とか大変うるさい次男ですが、好きなものだとかなりの労力を割けるんですよね。
好きなものには根気があるんですよねえ〜。


さて、話がだいぶそれてしまいました。

外遊びすらあまり好きでないし、体も小さい次男は、4年あたりまでは、体育は決して好きでも得意でもありませんでした。幼稚園の頃からずっと、背の順はクラスで前から3番目くらいをうろうろ…という感じです。
ただ剣道をやるようになったおかげか、運動全般ができないわけではなくなったようなのですが…5年の時も6年も、体力テストではA〜Eの五段階の「D」をもらってきたのですよ。
「シャトルラン」という、持久力を測るテストが苦手で、それが全体の足を引っ張ってる感じです。

なので運動会もどちらかというと「好きではない、参加するのがめんどくさい」感じだったのです。
徒競走なども、いつも順位は下から数えたほうが早い、という感じでしたし…。
が、5年生になり、運動会の係活動をやるようになって、運動会に参加する事が少し楽しくなったようなのです。

次男の…というかうちの子の行っている小学校は、5、6年生をとにかくよく働かせます。
私が小学生の時は、そんなに学校行事の手伝いをたくさんした記憶がないのでびっくりしたのですが…うちの子供たちの学校は、学校行事のほとんどで、5,6年生が運営に大きく関わっている感じです。

行事のスローガンを決める、ポスターを作る、実際に用具を準備する、などなど、先生主導ではありますが、かなりの部分を生徒が担っています。準備もですが、行事当日ももちろん、生徒がいろいろと働いています。
だからなのか、この小学校出身の子たちは、中学校に入ってからも何かと行事の中心にいる事が多いようで…小学校の体験が役に立ってるのかなあ、と思います。

次男は5年の時も6年の時も、運動会では「用具係」をやっていました。
その名の通り、競技に必要な用具を準備する係なのですが、次男が一番やりたかったのは「ピストルの弾込め」だったのです(笑)
うちの息子たちはミリタリー好きなので、実は長男も用具係をやっていて…次男もそれを見て、やりたいと思っていたのでしょうね。
ピストルを撃つの自体は先生がやるのですが、火薬を詰めて渡すのは生徒なのです。先生が撃つ横で、耳栓をして待機しています。いまどき、遊びで爆竹などもめったにできないですから、子供たちは火薬を扱うのが楽しかったようです。


子供の小学校では、学年によってだいたいやる競技は決まっていまして…例年、5,6年生は、「騎馬戦」「棒引き」「組体操的なパフォーマンス」をやってきていました。
が、今年の6年の担任の先生は「中途半端に棒引きとパフォーマンスをやるより、組体操に絞ってがっつりやりたい」と考えてやることになったのですが、私が今まで見てきた中では初の試みでした。

生徒は今まで上の学年がやっているのをあまり見たこともなく、生徒達はイメージがなかなかつかめず、最初は練習も難航したようです。
学年でピラミッドを作ることになり、5年生は5段でしたが、6年生は7段に挑戦することに!
今年、大阪では今後は段数制限をするとか話題になってましたが…小学校の運動会があったのは、その前の事でした。


どちらかというと、器械体操的なものは得意でない次男…実は倒立もできません。
だから組体操もあまりやる気がないだろうな?と思っていました。


が、運動会前のある日、次男が私に言ってきたのです。

「俺、組体操のピラミッドの一番上に乗ることになったよ」
「ええっ!?…ホント?」
「先生が、小さい子たちを集めてさ。誰か一番上をやりたい人はいるか?って聞いたから、立候補したらそう決まったんだよ」

立候補?次男が!?
次男、実はけっこう目立つ事は好きなのですが…
文科系のイベントだったら、今までも人前に出る立場の事をやってきています。
でも、運動会でそんな大舞台に立つような事をやるとは、私はかなり意外でした。
主人や、親戚の大人も「えっ、次男が?」とちょっとびっくりしてたんですよ。

しかし、運動会では、小さい子はあまり活躍できない事のほうが多いのですが…
体が小さい事も役に立つことがあるんですね!(笑)


運動会の後のおたよりで知ったのですが、組体操の練習を始めた当初は、ピラミッドの下のほうの人が重さに耐えきれず崩れてしまい、最初は全然成功しなかったそうです。
そこで、先生が
「今度やって成功しなければ、7段をやめて5段にします。でも、5年の時と同じ技をまたやるのは悔しいよ。どうしても7段を成功させたい」
と言ったところ…生徒たちは悔しがって泣いたり、真剣に考えてくれたそうです。
そして先生が
「練習で、重さに耐えきれなくて潰れてしまった人はいる?」と聞いたら、ある子が
「僕のところはつらいです。もうぼくにはできそうにないです」と。
「さあ、みんなどうしよう。そんな場所にぼくなら耐えられるという人はいるかい」
と聞いたら…ぱっと手を挙げた子が数名いたそうです。
「本当に大丈夫なのか。A君でも耐えられなかった場所なんだぞ」
「大丈夫です、絶対耐えます」
「よし、じゃあ頼んだぞ!」

そんな感じで「今の場所は無理」という子と「それなら変わります」という子を交代させて、再チャレンジしたら…
なんと、今度は一発で成功したのだそうです!

先生はおたよりにこう書いていました。

「成功したことも嬉しかったのですが、耐えきれなくなり、場所を変わった子も喜んでいました。つまり悲観的になるのではなく、自分に合った最適な場所で自分の力を発揮することが大切であるとわかったようです。
組体操では、特に大技といわれるような技になればなるほど、目立つ人は数人に限られ、ほとんどの人が目立たない場所で重みと痛みにただひたすら黙って耐えます。しかし、そんなひたむきさが技の成功につながることを知ったわけです。
運動会の前日の練習を終えた後、ある先生に言われました。
”今年の組体操、いいね!技の完成度が高いとかそういうことではなく、全員が成功させるぞという気持ちがとてもあらわれているよ。あの子供たちの表情がすべてを物語っているよね”」


次男も、ピラミッドの一番上に乗るのはけっこう難しかったらしいです。
下の人が耐えているので、ゆっくりしているわけにもいかないですし…
練習の時に2回くらい転落したそうですが(先生がキャッチしてくれたと言っていました(笑))、なんとか練習中に成功させることができたようです。

今簡単に「転落」と書きましたが、7段の最上段ですから、3メートルを超えています。つまり、建物の二階から落ちるくらいの感じなのです。
転落しても下に人がいますから、いきなり一番下まで落ちるわけではありませんが、ゴロゴロと転げ落ちたらけっこう痛いはず。下のほうのポジションとは違って忍耐はさほどいりませんが、恐怖心を克服しないとできない、度胸のいるポジションなのは確かです。もし失敗したら一番目立ちますしねえ。

よくまあ、そんなところに運動がやや苦手な次男が立候補したものだ…と思いますが…
そういえば次男、ふだんから「殺されたマネ」が好きでして…
ごっこ遊びをしている時、おもちゃの銃などで撃たれると、次男は本当に撃たれたような演技をして、バタッと倒れるのです。
その倒れっぷりが漫画っぽくてけっこう見事で、そんなに勢いよく倒れたら頭打つんじゃないの?ってカンジなのですが(時々、本当に軽く打っている時があります(笑))そういうのは怖くないようなんですよね。
そのあたりで度胸がついていたのでしょうか…。



ところで…
次男は小学校のそれまでの5年間…
運動会で、一回も勝ったほうの組にいたことがありませんでした!
毎年自分が赤白のどちらになるかは変わるし、もちろん赤白どちらかが勝つかも変わりますが、次男はなんと5年間負け続けでした。
運動会でどちらかの組が負ける確率は、毎回1/2ですから…それが5回続くというのは、32/1、つまりひとクラスにひとりくらいの割合しかいないのです。次男、なんと運動会運が悪いのでしょうか(笑)
だから「今年こそは勝ちたい」というのが、次男の悲願でした。

さて、運動会の当日…
組体操は、他の競技は、赤と白の勝敗はどうなったでしょうか?
と、いいところで次回に続きます(笑)
posted by はなずきん at 23:40 | Comment(2) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

我が家の次男坊(その1)次男と剣道

私と一緒に剣道をやっている次男。
いや、実は今、しばらく剣道を休んでいます。

直接の理由は「骨端症」という、成長期にあるかかと痛がずっと続いているからなのですが…
それ以前から、次男は剣道へのやる気を失っていたのです。
それもあってなかなか、かかとが治らないのかもしれませんが…。

さて、これから何回か、次男の事について書きたいと思います。
急に何で次男の話?って、剣道の事が書きたいわけではなく、次男は変わり者ぞろいのうちの家族の中でも、けっこう変わってて面白いヤツだからなのです(笑)。
今回はまず、剣道の話からですが…

まあ、親としては二重人格的な次男には、けっこう困ってるところもあるんですけれども…
それも含めて、カワイイ奴ではあるのですが。

でも実は、私は次男が小さい頃は、私と全然性格のタイプの違う次男をどう扱っていいのかわからず、あまりかわいいと思えていなかったのですよ。それを「かわいい」と思えるようになったのは、次男と一緒に剣道をやるようになってからのことです。


次男が小学校4年の時、「Wiiスポーツリゾート」のゲーム「チャンバラ」にはまっていました。
どのくらいはまっていたかというと、かなり難しい10面全部をクリアして、さらにその「裏面」をまた10面クリアしていたのです。
けっこう難易度が高いので、次男以外に、身近でクリアした人を見たことがありません。
次男は毎日、汗だくになってプレイしていました。

次男はそれまで勝気な長男と、活発な長女にはさまれ、あまり「自分」というものがありませんでした。
自分からこうしたいと言い出すことはあまりなくて、長男や長女に流されるように依存していましたが、何事も文句だけは多いのです。
それは自分に「自信」がないからではないか…

夫とそのことについて話し合った時、何か自信を持たせるようなことをしたい、という話になりました。ちょうどその頃だったのです、次男が剣道をやりたいと言ってきたのは。
その時たまたま学校で配られた、剣友会のチラシをもらってきて剣道をやりたくなったのです。


今までスポーツなどやった事もなく、外遊びすらほとんどしていない次男がそんな事を言い出すとは!
まあ「気の迷い」だったのかもしれませんが(笑)、これ幸いと、剣道を始めさせることにしました。


今まで何度も書いていますが、最初に入った剣友会は「ゆるい」なんてものではありませんでした。そこに1年間いましたが、ほぼ剣道らしいことは何も身に着かなかった、といっていいでしょう。
私はそれが剣道初体験だったので「こんなものなの??」と疑問形だらけで見学していましたが…

それでも、次男はけっこう楽しかったようで…
学校めんどくさい、宿題めんどくさい、とにかくやらされる事はほぼめんどくさい次男が珍しく、「行きたくない」とは言わず、週一回の稽古に通っていました。

しかし、私はそこの会は非常に居心地が悪く…子供の防具付けを手伝うために毎回見学に来てください、と言われていたので仕方なく行っていましたが、やっているのはく「チャンバラ」的なことしかありませんでしたから、見ていても全然楽しくありません。
だから私は防具付けの時に出る以外、子供の稽古の様子などほとんど見ていませんでした。

その事で、とある保護者に厳しく叱責されたこともありました。
そこの会のルールとしては私は「はみ出し保護者」だったのかもしれませんが、今思うと「なんやねんそのルール!」と突っ込みたくなるような、おかしな会だったのです。

しかも、私が我慢すればいいだけならまだしも…
稽古としても、いったいこれで何が身に着くの?ってカンジの、適当な内容だったのです。

稽古の時に、先生がきちんと指示を出さないので、子供が「次にどうすればいいんだろう」ってボーっとしているのですが…
親はそれをずっと見ていて、子供に「次はこうしなさい」って言え、っていうんですよ。
しかも、それは最初から親にそう言われていたわけではなく「みんなそうしているので、あなたもそうしてください」みたいな暗黙のルールだったらしく…そんなおかしなルール、言われなきゃわかりませんって。

まあ、言われたところで、「はあっ??」って感じの話でしたから、この会はダメだ!って思いました。
こんなところに通うだけ、時間の無駄です。
そこで会を変えることにしまして…。
次男は珍しく、まだ剣道を続けたいと言ったので、次に警察に移ることになりました。


警察の先生の事は、以前にたくさん書いていますが…
非常にユニークな先生で、基本コースではとても丁寧に子供に剣道の基礎を叩き込んでくれました。
私はそれを見ていて、剣道って面白い!と思って、一緒に始めてしまったわけですが…。

次男も、基本コースのうちは、先生が厳しいな〜と思いながらではありますが、そんなに嫌がりはせず通っていました。
が、1年が経って防具コースに移ってから、先生はとたんに「放任」になり…
そんなに強いほうではない次男は、あまり目をかけられることもなく。
防具をつけて試合をするようになってから当初は、剣道歴が同じくらいの初心者相手には、次男はそこそこ勝てていました。でも、あまり個別の指導がなかったからでしょう、ある程度のところで実力が頭打ちになってしまったのです。
やる気のある子はフォローなどしなくても勝手に上手くなりますが、そんなにやる気があるわけではない次男は、自主的に「こうしたほうがいい」なんて考えませんから、先生が放任だったら上手くなるわけもなく。

それと、防具コースに移ってからは厳しいいっぽうであまりフォローがない先生を、だんだん嫌がるようになってきました。いつ竹刀でしばかれるかわからないので、稽古中もびくびくしています。
先生は基本コースの時は本当に丁寧に教えてくれたのに、別人のようでした。
稽古もきつかったし、もう高学年なので、以前から剣道をやっているような子にはなかなか勝てません。
次男は剣道に対して、だんだんやる気を失っていってしまいました。

さらに防具コースに意地悪な親子が一組いて、親はいつも私や子供を目の敵にしていて、ちょっとでも外れたことをすると厳しく注意してきます。何も失礼な事をした記憶はないのですが、おそらく私そのものが気に入らなかったのでしょうね。
子供のほうは稽古中や試合、レクリエーションの時でも次男や長女を何かと仲間外れにしようとするしで、私達にはあまり居心地がいい状態ではありませんでした。
それ以外の人は、ほとんどいい方ばっかりだったのですが…

「意地悪親子」は、決して他の人たちにもよく思われていたわけではないのですが…
親のほうは会の役員をしたり手伝いをしたりとそれなりに貢献していたのと、子供もけっこう強かったので、表だってそのことを咎める人はいませんでした。
「いじめ」の対象は数人のみで、どの人もあまり会の中で立場が強い人ではなかったのと、立場が上の人にはコロッと態度を変えて、わざとらしいくらい親切にしていたりしたこともあり…。
いじめがあることを気にしてフォローしてくれる人は、ほぼいなかったのです。

先生にもいじめの事は相談しましたが、問題があるだろうということはわかっていたようなのに、通りいっぺんの対応をしてくれただけで…結局ほとんど状況は変わらなかったのです。
それを見て、先生のほうが保護者や生徒と関わる気が薄かったのでそうなってしまっているのだろうという気がして…このままこの状況が良くなることはないだろうな、と私は思いました。


次男はだんだん稽古にいくのを嫌がるようになり、連れていこうとすると逃げだす有様。
それでもなんとか引っ張っていっていましたが…。

防具コースに移って1年が経ち、年度変わりに、まだ続けるかどうかを次男に確かめたのですが…
「剣道は続けたいけど、この会はいやだ」と言います。
意地悪親子は、いじめて来る子とは別に、さらに下に弟もいたので、当分居座ると思われました。
先生はちょうど異動の時期でしたが、警察にいる限り、やっぱり稽古が厳しいほうではあると思われたので、へたれな次男にはここは向いていないだろうと思いました。


そこで今の会に移ることにしたわけですが…

今の会は雰囲気は厳しくないし、みんな親切ではあるのですが、次男にとって一番ネックだったのは「稽古が日曜日の朝にあること」でした…。
いや、でも本人が「休みの日のほうがいい」って言ってたんですが…警察では平日夜に2回稽古があったので、学校から帰ってきてから余裕がないのが嫌だったのでしょうね。

でも朝の弱い次男を、日曜日の朝に起こすのは至難の業でした。せめて、朝でなければよかったのかもしれませんが…しかも、日曜は稽古の時間が長くて内容がちょっときつかった事もあり、なおさら出たがらなくて。

私は稽古に早く行きたいのに、次男はなかなか起きてこず、起きてきても文句たらたら、準備だらだら…日曜日は私も、連れていくのが精神的負担になっていました。
水曜日の夜稽古は、ちょうど主人が家にいる日でもあったので、文句を言わずに出ていましたが…

ただ次男は、行く前はぐずぐず言っていても、連れていって稽古すると「あー楽しかった」「いったい俺はなんであんな文句を言っていたのだろう」という感じだったので、なんとかして連れていっていたのですが…

しかし、次男は新しい会の子供たちになかなかなじめませんでした。
もともとひとりでいる事が多く、友達を作るのが下手な子ではあるのですが、会にいた子たちとちょっとタイプが違ったから、というのもあるかもしれません。いい子達なんですけどねえ。

しかもその子たちは、けっこう剣道は強くて…
部内試合をしたら、次男は高学年の子には全く勝てませんでした。
それでますます、自信とやる気を失ってしまったようです。

そのうち、連れて行っても車からなかなか出てこず、稽古に遅刻したり。
稽古に出ても、おなかが痛いといって途中で休み、そのまま参加しない…
そんなことが続くようになりました。

その状態を見ていた他の保護者から「そんな状態だと、次男君もつらいだろうし、他の子の示しにもならないですよ」と言われ…
次男と話し合って、続けるかやめるか、考えさせました。


次男の本音としては、剣道はもうめんどくさい、やめたい。
剣道そのものが嫌いなわけではないのですが、稽古に行くのがとにかく面倒なようです。
が、ここまで続けてきたのに、ここでやめてもいいものか…という気持ちもちらっとあって。

結局、次男が嫌がる日曜日の稽古は出ず、水曜日だけ稽古に参加して、初段を取るまでは続ける、という事にしました。
が…そう決めた矢先に、次男は「骨端症」になってしまいました。

次男が最初「かかとが痛い」と言っていた時は、たまたまいつもと違う「床のすべりの悪い」体育館ですり足の練習をして、それがきつかったからかな、と思っていました。
かかとサポーターも買って様子を見ていましたが、1か月ほどしても良くならないどころか、ますます痛がって、ふだん歩くのにすら支障が出てきてしまいました。

骨端症とは、成長期の子供特有の症状です。
成長期にある子供は、かかとの骨の「成長する部分」が、かかと本体の骨から少し離れたところにあるのですが…
筋肉と骨の成長のバランスが取れない時があり、そういう時にその骨の部分が引っ張られ、炎症を起こしたりして痛くなるのだそうです。
長男もそうなっていた時期がありましたが、医者に行って湿布をもらい、運動を控えるようにしていたら1か月くらいで治っていたのですが…

次男を、私の行っている整体に行かせたら、「歩くのに支障がある」ような状態は良くなったものの…
体育の授業はちょっと無理、な程度の痛みはまだ残っているようなのです。
そんな事情があり、剣道も秋口の始めからずっとお休みをしているのです。


次男が骨端症になりかかりの時ですが、当市の「武道祭」というのがあり、うちの剣友会はそれに出場することになっていました。
いろんな武道の団体が「自分たちの武道のパフォーマンス」をして披露する、という会です。

親と子で剣道をやっている人が多い当会は、親子で組んで「稽古」をすることになりました。
子供が高学年の親と子で組んで出る、ということで、私と次男もその対象でした。

その話が来た時、すでに次男は骨端症だったので、出られるかどうかわからない…という状態ながらも、まだ先のことだし、良くなったら出られるかも、ということにしていました。

そうしているうちに、武道祭まで3週間くらいとなり…
リハーサルをすることになったので、ずっと休んでいた次男を稽古に連れていきました。
私は何度も次男に「本当に出る?大丈夫?」と確認したのですが、次男は嫌だとは言わず、いちおう稽古に参加したのですが…

足が痛くても素振りくらいはできるだろう、と思って、最初の素振りをさせたら、次男はもう「足が痛い」と言い出します。
その後やった「日本剣道形」の稽古も、「そのくらいはできるんじゃないの?」と先生に言われたのですが、次男は「足が痛い」と見学をしていたのですが、退屈だったらしく「帰っちゃダメ?」などと言ってきます。

「リハーサルに来たのに、今帰っちゃダメでしょ!」と言ったのですが、次男はやる気ゼロです。
でも、そうこうしているうちに、形稽古が終わって、リハーサルに入ったのですが…

「足が痛いんなら、きっちり全部やらなくていいよ、流れを覚えるだけで」と言ったのに、なんだかんだでやってしまい…また痛くなったりして…
でも、途中でやる気スイッチが入ったのか、リハーサルが終わる頃には、さっきの「帰っていい?」と言った時の表情とは変わって、すっきりした顔をしていたのです。


とはいえ…
他の保護者から「あんまりやる気なかったみたいだし、足も痛そうなのに大丈夫?」と聞かれ…
武道祭で披露する稽古はほんの10分くらいのことなので、多少足が痛くたってやる気があればできるはずなのですが、やる気そのものがないようなのです。
そして次のリハーサルに連れていこうとしたら、次男はさんざんぐずって、稽古に行こうとしません。

こんな状態でリハーサルに連れていっても、いざ本番になって「行きたくない」なんて言い出されたら、他の人に迷惑がかかってしまいかねません。
私は次男を置いて稽古に行き、先生に「今回はすみませんが、みなさんにご迷惑をおかけするといけないので、出場を辞退させてください」と申し出ました。


私が稽古から戻ってきたら、次男は「お母さん、今日はごめんなさい」と言ってきました。

「本当は、武道祭に出るのは楽しみにしてたんだけど…」
「そうだったの?」
「うん。でも…足もなかなか良くならないし、急に、やりたくなくなっちゃったんだよ。
自分でもころころ言うことが変わるなって思うんだけど…
なんでこんなに気分が変わるのか、よくわからないんだよ」


もともと、何がスイッチかわからないところで、ころっと気分が変わるところのある次男ですが…
今は小学校6年、思春期の入り口にさしかかり、さらに不安定な状態になっているようです。


とはいえ、次男は剣道をやらせたことで、身に着いたものはけっこうあったようです。

運動はどちらかというと苦手なほうだったのに、剣道ではある程度まではできたし、それなりに厳しい稽古にもなんとか耐えていたので、このくらいはできるんだ、という自信がついたこと。
試合にも何度も出たので、いざという時の度胸もついたことでしょう。

あと、ふだんはそうでもありませんが、いざという時の「礼儀作法」は身に着いたこと。
私の父の葬儀の時、従妹を含めた子供の中で一番きちんとお焼香ができていたのは次男でした。

今は剣道にやる気を失っている次男ですが、大人になった時にはたぶん、私に無理に連れていかれていたのだとしても、やって良かった…と思ってくれるのではないか、と思います。


剣道の話だけ聞くと次男は「むらっ気の強い困ったヤツ」なんですが…
本人がやる気のある事に対しては、けっこうがんばったりしているのです。

今年、次男は学校行事では、2つの大活躍をしました。
次回、その話を書きたいと思います。

posted by はなずきん at 10:53 | Comment(1) | 家族 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月16日

母と子の剣道日誌(60)「村浜部長」の魅力を紹介〜武士道シックスティーン漫画版より

先日は「武士道シックスティーン」の小説版の感想を書きましたが…

私は漫画版から入ったので、漫画版のキャラにけっこう愛着があります。
中でも「村浜部長」は大好きで、自分もこういう剣道をやりたい、こういう人になりたい…と思うのです。
小説版では村浜部長の描写は少なく、セリフをしゃべっているシーンもほとんどないのですが、漫画版では「いいところに出てくる」キャラなんですよね。

これからも時々、私のブログに「村浜部長」のことが出てくるような気がするので、今回は漫画版の村浜部長を紹介したいと思います!

紹介のために漫画の写真を撮ったのですが、本を開いて手で押さえて撮らなければならなかったので、あまりきれいに撮れてません…すみません(笑)
画像ファイルサイズの問題で、小さ目にアップされていますが、クリックして大きくしてご覧ください。



高校に入学し、剣道部に入った香織と早苗。
最初の部活は、挨拶を兼ねてということで勝ち抜き形式の試合を行います。
そこで自分の実力を示したい香織は、軽々と2年生2人を破り、大将を引っ張り出すため、次の3年生をわざと痛めつけてから勝ちます。
その様子を見ていた村浜は、自ら香織の相手をするために出てきます。
村浜部長初登場のシーンですが、ここがまたカッコイイのです♪

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試合中も余裕の笑みを浮かべる村浜。
場数踏んでる、って感じです。

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村浜部長と香織の試合はほぼ互角でしたが、村浜がやや優勢でした。
なんとしても勝ちたい香織は、わざと村浜の腕をひっかけて(もちろん反則です)痛めつけ、動けなくさせて一本を取ります。
顧問の先生は香織に「わざとやったのか」と咎めますが、香織は「たまたまだ」と言い張ります。


部活の後、早苗から「ちゃんと謝りなさい」と詰め寄られた香織は、仕方なく次の部活で村浜に謝罪をします。
もちろん、村浜は香織がわざと反則で技をかけた事は気づいているのですが…

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それでこの対応ですよ!
香織を許しながらも、締めるところは締める。
慌てず騒がず、大人の対応ですよねえ〜。
私の一番好きなシーンです。

そしてその日の部活で、早苗は村浜に次ぐ実力のある、2年生の河合を相手に試合稽古をします。
その試合で、早苗は的確な河合の攻撃をかわすのです。
その様子を見ていた香織に、村浜が話しかけます。

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この時の村浜の「余裕」な表情がいいですね。
すでに二人の資質を見ぬいているわけです。


さて、話はだいぶ飛びますが…

剣道をやる意味を見失い、部活にも出なくなった香織。
自分の兄を昔剣道の試合で負かせたことのある「岡」をずっと敵と思ってきた香織。
その岡に立ち会ってもらい、早苗とやった稽古で「剣道の本当の楽しさ」に気づきます。
そして、岡とも対戦し、男子の圧倒的な強さにかなわないことがわかりながらも、かかっていく香織。
そこで「自分の弱さ」に気づき、だからこそもっと強くなりたいのだ、と気づくのです。

しかし、今さら部活に戻る資格は自分にはないだろう…と考えた香織は剣道部に戻れません。
そんな時に、香織は中学部の道場を偶然見つけます。
早苗はここの中学の剣道部にいて、中学最後の大会で香織と対戦したのですが…。
そこで一生懸命自主稽古している早苗の後輩「田原美緒」に出会います。
そして剣道が好きで、一生懸命やっている美緒の純粋さに何かを感じ、稽古をつけてあげることになります。

稽古している香織と美緒を見つけた早苗は、高校の剣道部のメンバーを連れて中学部の道場にやってきます。

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ふたたび香織を許し、部活で稽古をつける村浜。
↓この、香織に面を入れる前の「ニコッ」がいいですよね〜。

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高校3年生にしてこの「大人の余裕」っぷり。惚れますねえ〜♪

とはいえ、彼女がここまでなるには、きっといろんな経験があったに違いないのですが…
そのあたりの話も読みたいなあ、と勝手に妄想させちゃうくらい、魅力のあるキャラだと思います。

村浜さんの容姿も私、好きでして…実は今の私の髪型、村浜さんの髪型をイメージしているのです(笑)。
私は髪が細く少ないせいで、こんなにきれいに落ちてくれないのが残念なんですが。

漫画版の村浜のセリフは小説版では他の人のものであったりして、小説版のほうではここまで出番はないのですが、漫画版の作者安藤さんは、自分なりの解釈で村浜というキャラクターを作り上げたのではないかと思います。
ただ、漫画版には、小説版で村浜が最後に出た「玉竜旗」と「インターハイ」の描写がないので、そこが唯一残念なところではあるのですが。


漫画版では、香織は小説版ほど「剣術オタク」っぽくはなく、早苗も小説版よりもほんわかした雰囲気です。
全体的に、キャラも小説版よりとっつきやすい感じではあります。
私は小説版を読む時も、この漫画版のキャラが頭にあったので、つい思い浮かべながら読んでしまいました。

この漫画、全3巻ありますが、Amazonでなんと1冊1円で出品されています…、送料は257円かかりますが。
いい漫画なのに、あまり知られてないんですかね。
興味のある方はぜひ買って読んでみてください!

武士道シックスティーン(1) (アフタヌーンKC)
武士道シックスティーン(1) (アフタヌーンKC)

武士道シックスティーン(2) (アフタヌーンKC) -
武士道シックスティーン(2) (アフタヌーンKC)

武士道シックスティーン(3) <完> (アフタヌーンKC) -
武士道シックスティーン(3) <完> (アフタヌーンKC)
posted by はなずきん at 09:38 | Comment(24) | 親子で剣道2 剣友会編(1級まで) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月15日

母と子の剣道日誌(59)武士道シックスティーンを読んで…私にとって剣道とは?(後篇)

母と子の剣道日誌(57)武士道シックスティーンを読んで…私にとって剣道とは?(前篇)
母と子の剣道日誌(58)武士道シックスティーンを読んで…私にとって剣道とは?(中篇)
から続いています。

(小説のネタバレを含んでいます、ご注意ください)


その後香織は、自分は選手として出場していない玉竜旗(福岡で毎年行われる高校の全国の剣道大会。有名な大会です)の試合を見学に行きます。
香織の所属する剣道部は出場をしていますが、そこで部員たちや、部長の村浜さんの戦いぶりを見て考えます。

玉竜旗は剣道の団体戦では珍しい「勝ち抜き戦」です。
普通、団体戦は「先鋒VS先鋒」「次鋒VS次鋒」といった感じで各チームの人数分の試合を行い、最終的に勝ち数の多いチームが勝ち、という形式が多いのですが…

玉竜旗は勝った選手はそのまま残り、相手チームの次の選手と戦います。負けるまで戦い続けるわけです。
一番最後に試合をすることになる「大将」は、相手の選手が4人残っていたら、4人と戦って勝たなければなりません。大将にかかる責任は、普通の団体戦以上に強いわけです。
(逆に最初の人が強ければ、大将に試合が来る前に終わってしまったりもしますが)

香織が見に行った時は、試合が大将戦までもつれこむことが多く、村浜部長は「自分が何人も勝たないと先に進めない」という重圧を背負って試合にのぞみます。
それで4回戦まで勝ち抜いて、残念ながら負けてしまったのですが…

「そんな重圧を背負って立つ彼女の姿が、とてつもなく頼もしく見えた」
「自分は村浜に比べて、なんて小さいんだろう」

と香織は感じます。


その後行われたインターハイでも、香織は村浜の個人戦を見に行きます。
ベスト16という成績で終わり「高校生としての大会をすべて終え、泣きながら顧問の手を握る彼女の姿を」見て、香織は「尊い」と感じます。
「世のためを思い、他人を敬い、精進を怠らない」村浜に。
自分が全中(全国中学校剣道大会)で2位になった時にすら「決勝で負けたこと」に悔しくて納得できなかった香織が、です。

自分はひとりで強くなったつもりで、勝った時は奢り、負けた時は腐り、周囲に感謝なんかしていなかった。
剣道の大会を支えてくれる人、自分を支えてくれる人がいた事に気づかなかった。自分は今まで何を見てきたんだろう…と香織は気が付きます。

そしてその後、香織は早苗にこう言います。
「小さい魂しかない奴の剣道は小さいし、デカい魂を持つ奴の剣道は、やっぱりデカいよ。
あたしは…デカい剣道をやりたい。
剣道の周りにゴテゴテ余計なものをつけて大きくするんじゃなくて、剣道そのものを、大きくやりたい…」



この部分は、なるほどなあ、と思いながら読みました。

漫画でも、村浜部長は「肚が座っている」「こういうのがいるチームは安心して戦える」と書かれていますが…
私も「この人にならまかせられる」と思ってもらえるような人になりたい、のです。
もちろん、剣道の技術や試合そのもので、私がそれを実現するのは難しいですけれども(笑)、「こんなにがんばっている人になら任せてもいい」とか「精一杯やってくれる人だ」と感じてもらえるような…そんな選手に、そんな人間になりたい、と思うのです。

私はいろんな人の剣道を見て「こういう戦い方、いいな」と感じる事がありますが…
私も、人から見て「この人の剣道、いいなと思ってもらえる」ような。
そして「いい試合だったと思ってもらえるような」
「自分が見たとしても、いいなと思えるような」
その時なりの自分を出し切れる試合をしたい、のです。


だから「ただ上手くなる、きれいにできる」だけでは何かが違う。
「勝つだけ」では仕方ないが、勝てるようになるためには自分を追い詰めて、そこを乗り越えなければ。そして、その状況に打ち勝てる自分になりたいのです。
その経験が、これからの人生にも生きてくるような気がします。

私は剣道専門の選手ではないし、それに生活をささげているわけでもないので、あくまでも「趣味の範囲内」ではありますが…主婦として、中年として(笑)できる範囲内で、精一杯やりたい、と思うのです。



ところで、武士道シックスティーンの話からは離れますが…

うちの主人は、剣道経験者なので、一時期はよく私と剣道の話をしていました。
でもここしばらく、私の剣道話を聞きたそうな感じを受けなかったので…ほとんど話をしたことがありませんでした。
が最近、主人が私の話を聞きたがらなかった理由を初めて聞いたのです。

主人いわく
「おまえは、好きになったものにはぐっとのめりこんで、それなりのレベルになるのに、ある程度まで行くとパタッとやめてしまうところがある。剣道もそうなるんじゃないかと心配していた」と。

確かに、私は今までいろんな事を「それなりのレベルまでやって」は、興味を失ってやめてしまう…というところがありました。
でも、剣道は今までの趣味とは違う、と思っています。
それは、何度も挫折しそうになり、それをなんとか乗り越えてここまできたからです。

いままでの「頭と労力を使えばそれなりのレベルになっていた趣味」とは違い、剣道は実際に自分の体を使って、体力を維持して稽古を続けていかなければ上達は見込めません。
今までの趣味とは違って、もともと私の得意分野ではないものですし、まして中年で体力は下り坂ですから…かなり努力をしていかないといけないわけで。

そして、人に教えを請わなくてはいけない、というのも違います。
私はあまり習い事の教室などに通うのが好きではなく、今まで好きになったものはほとんど「独学」でやってきましたが…それだけに、興味が離れると、ぱたっとやらなくなってしまっていたわけです。

でも、剣道は教えてくれる先生がいて、一緒に習っている人たちがいます。
N先生の稽古は本当に面白いし、がんばっているパパさん剣士を見て励みに感じることもあります。
続けることでただ上手くなる、というだけでなく「級や段を取る」という目標もあります。

N先生は「剣道を教わりたい」と思っている人には、情熱を持って本当に熱心に教えてくださいます。
教えてくれる技術も、かけてくれる言葉も「上手くなりたいと思っている人を、上手くさせてあげたい」という気持ちから、なのでしょうね。
私もそれを感じて「N先生の期待に応えて、少しでも上手くなりたい」とも思います。中途半端なところで辞めてしまったら、教えて下さったN先生にも申し訳ないです。


私は主人に言いました。
「剣道は、これまで努力して積み重ねてきたものがある。途中でほおり出すのはもったいないし、そんなことはしたくない。だから、今までの趣味とは違うよ」と。

…とまあ、そう言ったからには、そう実行しなくてはなりません(笑)
これも「自分に勝つ」修業の一環として…ここで公言しておきたいと思います。




私は昔から、戦いの前の高揚感を感じるのがとても好きでした。
普通、女性というのは、戦いを好まない人が多いのではないかと思いますが…私はどこか男性的な部分があるのではないかと思います。

剣客商売や鬼平犯科帳を読んだ時も、どんなピンチの時でも勝つ主人公たちをカッコイイと思っていました。
小説を読んだり、映画やドラマを見てそういう高揚感を感じる事はよくありました。
でも、実際に自分が「戦って」勝つような事はほとんどしてこなかったのです。
小説の登場人物の、平蔵や三冬たちは「好きだけど、遠い存在」だと思っていました。

でも私は、剣道をやりたい…と思った時…自分が「応援している側」ではなく「応援される側」になりたかった、のです。
小説のヒーローたちほど強くはなれないのは確かですけれども、それに近づきたかったのです。
そして今は、その一歩を踏み出すことができている、のです。


剣道の試合の時の緊張感は、私が今まで経験したことがないものでした。
ただ人前に出て何かをする、というだけでなく、自分やチームをしょって試合場に一人で、戦う相手と向かい合って立たなければならない…
相手に、自分に打ち勝つために冷静にならなければならない…そしてわずか3分の間に、自分が積み重ねてきたものを、ここで出し切らなければいけないという重圧。
それだけに、それをはねのけて、今の自分にやれる事をやりきった…と思えた時の充足感は、何にも代えがたいものでした。

まだまだ初心者の私が試合に挑むのは、正直「きつい」部分もあります。
試合をして自分の力を試してみたい、という気持ちと同じくらい、思うようにできなかったらどうしよう…という心配もありますが…
だからこそ、やらねばならない、と思うのです。




剣道に憧れて始め、実際にやってみてもっと好きになって。
強くなりたいのです。剣道の技術も、精神も。
そして人としても、大きくなりたい。

だから私は剣道を続ける…のだと思います。



武士道シックスティーンの主人公たちと私は、剣道を始めた理由も立場も違いますが…
小説を読んで、あらためていろいろと考えさせられました。
次は、続編を読んでみたいと思っています。
posted by はなずきん at 15:59 | Comment(2) | 親子で剣道2 剣友会編(1級まで) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

母と子の剣道日誌(58)武士道シックスティーンを読んで…私にとって剣道とは?(中篇)

母と子の剣道日誌(57)武士道シックスティーンを読んで…私にとって剣道とは?(前篇)」から続いています。

(小説のネタバレを含んでいますのでご注意ください!)

武士道シックスティーンの小説版では、なぜ剣道をやるのか、剣道で何を目指すのか?という問いかけが各所にあります。

幼い頃からずっと剣道一筋。剣道をやって勝つのが当たり前で、すべてを「勝ち負け」でしか見てこなかった香織。

ずっと日本舞踊を習ってきたが、家の事情でお金のかかる日本舞踊を続けられず、「似ている部分があるから」と中学で剣道部に入部した早苗。
もともと呑気なキャラクターで、剣道の雰囲気が好きでやっている早苗は「勝ちたい」という気持ちは薄いのですが、早苗が「勝ち負けにこだわりたくない」のは他にも理由があります。
早苗の父親が事業の研究の権利をめぐる裁判で負け、家出同然でいなくなってしまったからです。


最初から相手を「斬る」つもりで試合に挑み、時には反則技を使ってまで勝とうとする早苗。
中学時代は個人で全国2位になっています。

いっぽう、早苗は中学時代はこれといった戦績がありません。
日舞で鍛えた足腰の強さと、相手を見る目がある早苗は、全く殺気がないのに、強い人との試合の緊張感や技のやりとりが楽しくて、強い人には勝ってしまったりするのです。

中学最後の試合で、全然強そうに見えない早苗に見事に面を取られて負けてしまった早苗は、いったいなぜ自分が負けたのか…なぜ早苗は「強い相手にだけ」勝てるのか…そこにこだわり続けます。

香織は、自分が通ってきた厳しい道場とは違う、高校の部活の「ぬるい剣道」に嫌気がさしつつも、1年生ながらインターハイにも参加して団体戦で優勝を収めます。
が、それから香織は「なぜ、自分は剣道をやってきたのだろう」「ずっと勝ち続けて、どうするのだろう」という気持ちにとらわれ、剣道をやる気を失い、試合にも勝てなくなってしまいます。


迷いを持ったままの香織は、子供の頃からなじみの武道具屋の「たつじい」のところに行きます。
たつじいは、香織に「五輪書」(宮本武蔵が書いた剣術の指南書)を薦めて読ませた人で、香織はそれを座右の銘としていつも持ち歩き読んでいるのですが…

(以下、セリフは小説の引用そのままではなく、おおまかな要約をしながら書いています)

たつじいは、五輪書は
「剣術の指南書としては、心構えばかりで、具体的にどうしたらいいかが書いていない」
「武蔵が60の時に書いたということは、自分の人生を振り返って、昔はすごかった、俺はこんなすごい事をした、と書きたかった本ではないのか」
と言います。
五輪書を愛読している香織は
「五輪書を年寄りの自慢話みたいに言うのをやめてほしい、そもそもあたしがもっと強くなれるようにと私に薦めてくれたのではないのか」
と言いますが…

たつじいは、そこで香織から聞いていた、早苗の話をし出します。

「早苗ちゃんは、構えが良くなるとか、技ができるようになるとか、自分の成長こそ剣道をする目的だ、という子なんだよね」
「奴の理想論のほうが、あたしの勝負論より優れているとでも言いたいの」
「香織ちゃんの勝負論も、その子の自己成長重視型の姿勢も、大差ないと思うけどね。
勝ち負けに拘るってのは、要は相手に勝って喜ぶということ。相手より自分のほうがある時点では優れていた。そのことを確認して、安心するってことだろう。
つまり、比較の対象が他人というわけだ。
対して早苗ちゃんは、習った技ができるようになる、前よりも構えがよくなる。それは過去の自分を比較対象にしているってことじゃないか。
要は両方とも、今の自分と何かを比べて、その比較対象より優れていたらいい、劣っていたら駄目という判断をしていることになる。その点においては考え方は同じだ。
それを悪いと言っているわけではないが、それがすべてでは、大切なものを見失ってしまうんじゃないか

「なに、大切なことって」
「それを五輪書から読み取ってほしかったんだけどね」


たつじいは「五輪書から読み取ってほしかったこと」がなんだったかは言わないのですが…
後に香織が、早苗に向けて言っているのです。
「あたしはてっきり、武蔵は自分の創始した二天一流を、後世に残すために書いたんだとばっかり思ってた。でも、何回も読みかえしてみて、武蔵は剣術とか兵法が、好きで好きでしょうがなかったんだろうなって…そう感じるようになったんだ。
好きで始めたことなのに、それの何が好きだったのか、見失っちゃうことってあると思うんだよ。
でも、そういう時は確かめりゃいいんだよな。原点に帰るとか、そういうこと。そういうのは初めて実感したっていうか、再確認したっていうか」


私はここの部分を読んで、たつじいのセリフに対して「う〜ん、そうなのかな?」と考え込んでしまいました。
私が剣道をしている理由は「剣道が好きだから、やっていて楽しいから」なのですが、やりがいを感じるのは「自分が成長したと思えた時」なのです。それは、他人に勝てるようになる、ということを含めて、です。


私は香織とは違い「剣道の何が好きだったのか」を見失ったことはないのですが…
「自分が剣道をやる事に、意味があるのか」と考えた事は何度もあります。

だって、剣道が好きだったら、見ているだけだっていいわけで…
どんなにやってもたいしたレベルにはならないと思われる自分。
他の人に相手してもらうのも躊躇してしまうようなレベルのままだったら…
そう考えると、いくら好きでも…一生懸命やっているのに全然上達しなかったら、やはりやる気を継続していくのは難しいでしょう。

そもそもの私の目標は
「本当に戦える人になりたい」「カッコイイ女性になりたい」「逃げない人になりたい」
だったわけですが、「逃げない」はともかくとして、「カッコよく」なれるかどうかはいまだ微妙です。
やや鈍めで体力もあるとは言えない私は、何度も何度も反復練習をしないと、なかなか必要な動作が身に着いていかないからです。

となると、人と同じように上手くなる、というのはなかなか難しいわけで、技術的にも「自分なりの目標」を持っていないと、剣道を続けるモチベーションを見失ってしまいかねません。
私の場合は、剣道を始めた時期自体が遅いうえに、運動神経もさほどでないので、「人より強くなる」ことを目指しているわけではありません。
それだけに「過去の自分との比較」って大事な事だと思うんです。

年を取れば前より動けなくなるでしょうから、単に技術的なことだけの「比較」は意味がないと思いますが、努力をしているからこそ「できることが増える」わけです。
剣道を続けていくことで、体力や技術以外の「何か」が身について、動けなくても勝てるようになるかもしれません。
実際、ほとんど動かないのに、若い人に勝てる老剣士も多くいらっしゃいます。

私のように、技術的には「たいしたことない」人間は…
ただ「好き」なだけではなく、そういう、努力も技術も精神も、全体をひっくるめての「成長」を感じられてこそ、剣道を続ける気持ちを持ち続けられるのではないか、と思いました。
もちろん、根本に「剣道が好き」な気持ちがあるからこそ、それを「やりがいがある」と感じるのでしょうけれども。

まあ、小さい頃から剣道一筋の香織と、剣道が好きになって大人から始めた私とでは、たどった道も何も全然違うわけで…
そのあたりは小説に書かれていることとはちょっと違うかな〜、と思ったのですが、そこであらためて「自分はどうなのか」と考えられたのは収穫でした。


まだまだ長くなってしまったので、続きます〜。

posted by はなずきん at 15:08 | Comment(6) | 親子で剣道2 剣友会編(1級まで) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする