2015年09月19日

母と子の剣道日誌(45)はなずきんの一番長い日〜市民剣道大会にて(その6)剣道を続けていて良かった、と思えた日

この話は↓ここから続いています…。

母と子の剣道日誌(41)はなずきんの一番長い日〜市民剣道大会にて(その1)全然上手くなってない?私の剣道。
母と子の剣道日誌(42)はなずきんの一番長い日〜市民剣道大会にて(その2)大会参加の女性剣士は2人だけ!?
母と子の剣道日誌(43)はなずきんの一番長い日〜市民剣道大会にて(その3)緊張の、大会当日の朝
母と子の剣道日誌(44)はなずきんの一番長い日〜市民剣道大会にて(その4)”試合は稽古のように”
母と子の剣道日誌(45)はなずきんの一番長い日〜市民剣道大会にて(その5)いざ、第2回戦


剣友会の飲み会は、夕方からスタートしました。
飲み放題だったので、最初は生ビールを頼みました。
いつも、稽古で汗をかいた後にはビールを飲みたくなりますが…
稽古の後に飲むとてきめんに太るので我慢しています。

でも今日は、我慢なんかしません!
一緒に戦った子供や大人、応援してくれたお母さん達、いつも指導してくれている先生方と…
乾杯をして、ジョッキにつがれた生ビールをぐぐっと飲み干します。
初勝利の充実感と、大会の緊張感から解放されたこと、そして志を同じく一緒に稽古している人たちと飲んでいるからなのか…本当にビールが美味しく感じます。

これぞ「勝利の美酒に酔う」ってやつでしょうか(笑)。
たかが一勝…ですが、私にとっては、すごく大きな「一勝」でした。



大会の後の飲み会に参加していたのは、大人21名、子供15名の大所帯です。
当会は子供も親も剣道をしている人がかなり多いのですが、大人のほうはお酒が入るにつれて、かなり盛り上がります!
子供のほうはきっと「酔っ払いってうるさいなー」って思ってるんでしょうね(笑)


前いた警察では、「剣道は礼儀を学ばせる習い事」って感じの親御さんが多く、剣道そのものには興味のないお母さんがほとんどで…
私は他の親御さんとコミュニケーションを取らなければいけない、と思っていたので飲み会は毎回参加していましたが…剣道の話などほぼ出なくて、学校の事とか当たり障りのない世間話とかばかりで、腹を割って話せるようなこともなく…私は参加していて楽しかった記憶はほぼありません。

今の剣友会のふだんの稽古の後は、大人は出稽古の方と稽古していたり、すぐ体育館を出なければいけなかったりとか、なかなか他の方とゆっくり話をする機会もないのですが…
それだけに、じっくり話せる飲み会の席は、こんな人だったんだ!という発見があって面白いです。
剣道の話もできるのがいいというのもありますが、剣道をしてないお母さん達も、先生も、いい方ばっかりで。
大学を出たばかりのお兄さん剣士に「この間稽古に連れてきてた女性は彼女なの!?」なんてお母さん達で突っ込んだりして(笑)
こうやって対等に話ができる大人との飲み会は、本当に楽しいんだな、と思いました。



飲み会の席で、N先生と剣友会の会長のところに行ってお酌をして…お礼を言いました。
N先生が教えてくれた通りにやろう、と思って試合に挑んだら勝てたこと。
N先生の稽古が楽しい、本当に役に立つと思っていることなど…。


今回、勝つことができたのは、N先生の指導があったからこそだと私は思っています。
もちろん、他のいろんな先生からも指導を受けた事もいろいろと役立っていますし、自分でも練習したりという事もありますが…
N先生は「大人が試合に挑む時にはどうするべきか」という戦法や、心構えをよく教えてくれました。
私は技そのものもあまりできていないですが、試合の時にどうやって攻めたらいいのか、が一番わかっていなかったので、N先生の教えがとても役立ったのです。

私はN先生の指導内容に納得して、尊敬していたので、この先生の言う通りにすれば今までの私の試合よりは良くなるだろう、と信じることができました。
だから、試合で私の持っていた力を出すことができたのだろう、と思います。

とはいえ、今思うと、やっぱり試合の時はあがっていたのでしょうね。
一本取った時も、そんなにきれいに打てたのかどうかわかりませんでしたし、他も自分が何をやったのやら、相手に何をされたのやら、あんまり覚えていません(笑)
経験も私より長い3段の方に、級も持っていない私が勝てたなんて、うそのようです。
まだ、自分の実力がついてるとは思えてなくて、やっぱり全然できていないよなあ、という気持ちはまだ残っているのですが…



N先生はこう言いました。

「私はね、今まで学生とか、体力のある人たちにずっと教えてきたんです。
でも、自分の体もだんだん動かなくなってきて、体力が必要な剣道はできなくなったんですよ。
だから、今度は大人の初心者に対して、その人たちが上達できるようなことを教えたい、と思っているんですよ。」

こんなに名も実力も指導力もある先生が、年取ってから剣道を始めた大人の初心者たちに教えに来てくれるのか?と私はちょっと疑問に思っていたのですが、そういう理由だったんですね…


「次の春の大会は、団体戦ですよね。
私は、大人女子チームの今年の春の大会の試合を見て、次はもっと行けると思ってたんですよ。
次は、勝ちに行きますよ。今度は、メダルを狙いましょう!


うーん、勝てる?私が?
今回も、そんなに強くはない相手だから勝てただけ、とは思っているのですが…
次にN剣友会の方と当たったら勝てるとは思えないのですが、自信あふれるN先生の言葉を聞いていたら、もしかしたら私でも勝てる機会もあるのかも?とも…。

剣道はただ動きが正確で早ければいいわけではなく、かけひきや「頭脳勝負」な部分もあるので、
戦略によっては、実力が上の人にも勝つことができないわけではない、ところはあります。

そして、団体戦は、3人のうち、ひとりが勝ちさえすれば、残りの2人は引き分けでも勝ちになりますので、チームに初心者が混じっていても、個人戦よりは上が狙えるという部分はあります。
大人の女子は参加団体もそんなに多くないので、実は2回戦に勝てれば銅メダルがもらえるのです。

とはいえ、2回戦の壁はそれなりに厚いですし、私が来年の春までにそんなにできるようになるのか、まだまだ信じられませんけれども。



あと、会長さんに
「私、ほめていただいても、全然、自分では上手くなっていると思えてなかったんです」
と言ったら
「はなずきんさんは、良くなってるって私が言ったでしょう。ね、間違ってなかったでしょう(笑)」
と言われました。


「はなずきんさんは今はまだ、面を打つ時に大きく振りかぶっているけれど、
上手くなってくれば、自然と”大きく打つつもりで、小さく打つ”事ができるようになるんです。
だから今は、小さくしようとそんなに意識しないで、大きくきれいに面を打つようにしたほうがいいです。
そうしていれば”大きな気持ちで、小さく打つ”、いい面が打てるようになってきますよ。


まだ私にはその言葉には実感がないけれど、剣道を何十年も続けている方からの言葉ですから…そうなのかな、と思いました。
ずっと「面は小さく打たなきゃ」と思っているわりにはできていなかったのですが、今の私の面がいい、と言っていただいたので…
しばらくの間は「大きくきれいに」打つつもりでやっていこう、と思いました。


飲み会は時間を過ぎてもかなり盛り上がっていましたが、翌日が月曜であり子供もいたので、9時過ぎに会はお開きになり、みんな帰っていきました。
私と次男は、同じ方向の、ママさん指導者のIさんとその息子(6年)と一緒のバスに乗って帰りました。


Iさんと話していて…私が「剣道って、ふだんからかなり痛いことが多いですよねえ。これに耐えられるようになっただけでもスゴイですよね」と言ったら…

Iさんが、剣道の指導者の講習会に行った時に、学生時代から続けてきている人たちに、「私は40代になってから剣道を始めた」と言ったら、「本当に!?こんな面倒で辛くて痛いことを、そんな年取ってから始めるなんて、信じられないわ〜」って言われたそうです(笑)

でも、私は、今の年になっているからこそ、厳しい稽古に耐えられるのかもしれません。
「今やらなかったら、この後からはできない」というような覚悟があるからでしょうか。

「年取ってから始めた私たちは、ずっと学生時代からやっている人たちには、なかなか勝てないよね。
でも、そういう人たちと比べてもしょうがないから、私達なりにがんばろうね」とIさん。
私よりはずっと運動神経が良さそうだとはいえ、遅剣で剣道を始めて三段まで取り、指導者にもなったIさんはスゴイなあ、と思い、そして本当にいい人なんだなと感じました。
帰りのバスの中でも充実した気分で、家に帰ることができました。



45歳で剣道を始める時に、私は「逃げない人になりたい」という決意をしました。
強い相手との試合でも逃げない、きつい稽古から逃げない、弱い自分から逃げない自分になりたいと。

でも、この2年間、何度も”自分のできなさ”にめげそうになりました。
そのたびに
「何を始めるのでも、遅すぎるという事はないはずだ」
「挑戦することが大事なんだ」
と自分をはげまして、なんとか稽古を続けていました。

「好きで、がんばっているのに、思うように全然できない」ことを2年も続けてきたのは、私の人生の中でこれが初めてかもしれません。
でも剣道が好きだから、稽古するのが楽しいから、かっこいい剣士になりたいから…
その想いでなんとか持ちこたえてきたのです。



今回初めて「稽古を続けてきた結果」が目に見える形で出たことで、今までの苦労が報われた気がしました。
試合に出る前に、あきらめなくて良かった。
そして、今の剣友会に入って良かったと、心の底から思いました。



実は、今回このブログを書く前は、私の最初の対戦相手の方は2段だと聞いていたのですが…
市の剣道連盟のHPを見ていたら、今年の6月に3段を取っていた方だということがわかり。

2段が相手でもスゴイ!と思っていましたが、3段だったの!?
ウソでしょう!?と、何度もHPの「3段合格者」の欄を見返しましたが、確かに私の対戦相手の方のようです。
ほんとに試合で勝てたのは、ラッキーだったんだ、と嬉し涙がまた出てきてしまいました。


一回勝ったからといって、またどんどん勝てるわけではないでしょうけれども、
最近は本当に「全然上手くなってない」という、全く自信がない状態でやっていたのですが…
これからは「私は三段の人に勝てたことがあるんだ」と、少し自信が持てそうです。


最近、稽古するだけで精一杯で、家では素振りをしていなかったのですが…
大会後、家の夕食でお祝いをしてもらった後、むしょうに素振りをやりたくなり、
家の前の道路で竹刀を振りました。なんだかひさしぶりです。

うん、確かに…、そういえば、前よりは、竹刀を振るのが早くなっているような気がします。
主人(剣道経験者)が見にきて「剣先を意識している振りになったんじゃない?」と言ってくれました。
まあ、あくまでも「前よりは」で、他の人と比べたら、まだ全然なんですけれども。

今の剣友会は、稽古の最初の素振りの回数が警察の時よりも多かったので、入会当初はすごくきつかったのですが、今は「きついけどなんとかなる」って感じになっています。
そのおかげか、二の腕はだいぶ太くなっていますから(笑)竹刀を振る力も、振り方も、前よりは余裕が出てきたのかもしれません。
こうして少しずつ「余裕」ができれば、またいつか、次のステップを登ることができるのでしょうか…?



市民大会の日は、私にとって、とても長い一日でした…。
きっと一生、忘れられない日になるでしょう。




次の稽古が待ち遠しい、と思ったのは、ひさしぶりです。



「はなずきんの一番長い日」
これにて、終幕です。


長々と話にお付き合いいただき、ありがとうございました!


posted by はなずきん at 00:00 | Comment(8) | 親子で剣道2剣友会編(1級まで) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする