2013年06月17日

母と子の剣道日誌(4)稽古の工夫

子供の剣道、第4話です。


今の道場に入ってからわずか2か月半しか稽古をしていないのに、書きたいことが本当にたくさんあります。それだけ、稽古の内容が濃いってことなんですよね。


この道場の稽古では、本当に丁寧にひとつひとつの動作とその理由を教えます。
そして生徒たちにやらせて、先生がひとりひとりの動きを見て、できてない部分をびしっと指摘してやり直させます。先生の指導が入ると、生徒の動きがガラッと変わります。運動神経イマイチと思われる次男でさえ、最近は多少かっこよくなってきました(笑)。


教えたことがすぐにできなくても、先生はそれで怒りはしません。できていない理由を見極めて、言い方を変えてわからせるようにします。
しかし何度も教えたことができていないと、ゲンコツが飛んできたり、竹刀で軽く叩かれたりします。教える時は丁寧に、反復は強制的に、ですね。


最近は「体罰は絶対にダメ」という世の中の流れになっていますが、私はこのくらいの体罰なら構わないと思っています。
血気盛んな男の子を育てたことのある人なら、口で丁寧に説明しても効果がないどころか、子供になめられて言うことを聞かなくなる場合もある、というのはわかるのではないでしょうか。


私自身は「言うことをきかせるため」に叩いたりはしませんが、子供が相手にケガをさせかねないような暴力をしようとしていれば、体を張ってでも止めます。「暴力を振るわれても、絶対にいうことは聞かないという気迫」は必要なので、やはり「言葉だけ」では限界があると思います。

もちろん、言葉での説明は一番大切だし、体罰も度を越してしまえば問題であるのは間違いないですが。


私はここの先生は厳しいけれども、子供に愛情を持って接していると思いますし、感情で手を出したりはしていないと感じます。子供の年齢や性格によっても厳しさの度合いを変えているのはわかりますから、「度を超す」ことはないと信じています。

それはふだん、先生が生徒に対してどういう時にどんな風に声をかけるか、を見ていればわかります。
最近は生徒にはきついことは言わない、なんて先生も多いですが、先生は少し怖いくらいでちょうどいいと私は思っています。


子供が先生を怖がりながらも信頼しているというのは、防具コースの子たちを見ればわかります。

信頼関係が成り立っているうえでの「愛のムチ」は、私はアリだと思います。


最近はどこでも「優しい指導」しかしないので、ちょっと転んで痛いくらいでも子供は大げさに騒ぐ気がします。ちょいと叩かれて痛いくらいでいちいちくじけていたのでは、この先やっていられないのでは?と思うのです。へたれな息子にはこのくらいはいい経験だと思っていますが。


よく生徒達が注意されているのが「先生を見るな!」「隣を見るな!」です。
生徒は覚えた動作に自信がないので、つい先生や周囲を見てそれと同じようにしよう、としてしまうのですが、いつまでもそれでは動作を覚えることができません。
「間違うのは悪いことじゃない。人を見て合わせるのじゃなくて、正面を見て堂々と間違え」と先生は言います。そうして間違っているうちに、やっと正しいことができるようになるのです。
稽古だけでなく生き方にも通じるような、いい言葉ではないですか。


生徒が先生をちらちら見ていると「先生がそんなにかっこいいのか!」と突っ込まれます。
生徒がとにかく何か答えなければと、反射で「いいえ!」と答えちゃったりして、そこでまた笑ってしまうんですよ。

厳しい中にも笑いのあるこの道場、私はとても気に入っています。


先生の教える内容はいちいち納得できる事ばかりなのですが、稽古の内容もただ同じことを反復させているだけではありません。例え内容は同じでもその進度に応じて、やり方を変えてみたりします。

先日は、面打ちの稽古の時、足を置く場所(足と足との間隔)がなかなかつかめない子供たちのために、升(お酒やお米を入れて量る、四角い木の容器のことです)をひとり2個用意し、適切な間隔にその升を置いて、升の上に子供が乗って竹刀を振り、足の間隔をつかむというやり方をしたそうです。
私はその時は用事があり見学に行っていなかったのですが、主人からその話を聞いて「本当にいろいろ考えるんだな〜」と感心しました。

ステップが進むにつれやり方を変える。子供に飽きさせないよう目先を変える。なかなかここまで考えて教えてくれる先生は少ないのではないでしょうか。


ある日の稽古は、なんとドッジボールです!
剣道の稽古の時間にドッジボールをやるなど、聞いたことがありません。


しかし見ていて、先生が何でドッジボールをやらせたのかわかってきました。ふだん稽古では慣れないことをやらされてコチコチな子供たちが、ドッジボールをやることで「地」が出てくるのです。
おとなしかったと思っていた子が、いきいきと走り回ってボールを取っていたり、元気そうな子なのに逃げ回ってばかりいたり。なるほど、剣道の稽古だけでは見えない「性格」が見えてきます。


とはいえ、まだあまりなじみのない初心者同士の子供たちですから、黙々と逃げる子も多く…先生に「お前ら、若いんだからもっと”きゃー”とか言え!」と突っ込まれていました(笑)。そう、これは親睦行事?でもあったのですね。
剣道の稽古は個人単位ですから、稽古中は隣にいる子と話すこともあまりありません。しかしこういうゲームをやれば仲間同士、親しみもわいてくるというものです。仲間と親しくなれば、稽古に来るのも楽しくなるでしょう。


私は子供と一緒に学校でドッジボールをやらされたことがあるので、子供がどんな風に行動するのかだいたいわかっていましたが、先生はあまりそういうことを見る機会がないであろう、他の親御さんに「自分の子の意外な様子」を見せたかった、という面もあったようです。


先生の、剣道の稽古だけにとらわれない発想の柔軟さにまた感心させられました。
次はいったいどんな稽古を繰り出してくるのか、本当に楽しみにしている私です。

posted by はなずきん at 09:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 親子で剣道1警察編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする