2005年08月01日

「高機能自閉症」という”個性”(その4)実はダンナも、高機能自閉症だったらしいという話。

(前日より続いています)

長男が診断を受けてから、私は高機能自閉症について本やネットなどでいろいろ調べて、その内容をダンナに話しました。
最初のうちはただなるほどなるほど、と聞いていたダンナですが、詳しい内容を知るにつれ
「この症状は俺の子供の時のことに当てはまるような…」
と言い出したのです。

ダンナは長男のように人に手を出すということはなかったものの、「落ち着きがない」とかなり大きくなるまで言われていたし、言葉も出るのが遅かったし、そして人との距離感を取るのがかなり大きくなるまで難しかったというのです。
小さい頃はあまり気付いていなかったのだけれども、小学校高学年くらいから中学校くらいにかけて
「なんで俺は他のヤツみたいに友達と自然に付き合えないのだろう」
とかなり悩んだと…。
そういえばダンナには同年代の友達が少なく、親しいのは年上や年下の人がほとんどです。私自身もダンナよりひとつ上ですし。

そう気付いていろいろ考えてみると、ダンナについて、私が
「なんでこうなんだろう!?」
と思う部分は、高機能自閉症の特徴に当てはまることが多いことに気付きました。

何か用事を頼む時、「適当にやっといて」というと「適当じゃわからん」と嫌がるし、実際に微妙にこちらが意図することと違うようにしてきたりします。

ふたつ以上のことを同時に頼まれることを嫌がるし、無理に頼むと忘れてきたりするので、一回にひとつの用事しか頼めません。
それに私が「なんとなく不機嫌」だったりしても、はっきりと「不機嫌」を顔に表さないとそのことに気付かなかったり…。
男の人はこんなものなのかな、と今までは思っていましたが(男女差というのも確かにあるんですけど…)ダンナが高機能自閉症だと考えれば納得の行くことがかなり多かったのです。


ダンナは写真的記憶が得意で、すごく昔に見た映画のワンシーンに映っていた小物…なんてものをよく覚えていたりします。
言葉で自分の考えを表現することが苦手で、ケンカをした時など自分の気持ちが表現できなくなるとと黙ってしまいます。言い合いが白熱してくるとボーッとしてきて何を言っているのか自分でもわからなくなってくるのだそうです。
またやたらと同じものを反復するのが好きで、好きになった曲は周囲の人が「お願いだからもうやめてくれ」と言いたくなるくらいまで何度も何度も聞いています。

まぶしいのが苦手で、ふだん部屋のカーテンは閉めっぱなしです。そのくせ電気が明るいのは大丈夫なのです。(太陽光はなんか違うんだそうです)(自閉症の人は、視覚、聴覚、触覚などの感覚が過敏な場合があるのだそうです。何が過敏かは人によって違うのですが。)
ふだんうるさい音がしていても平気なのに、テレビが(画面が消えているのに電源が)ついていると「テレビの音がする」と言って消したがります。テレビがついているとなにか圧力のようなものを感じるのだそうです。

ダンナの「個性」だと思っていたこういう部分が、まさに高機能自閉症の特徴とマッチしていたのです。

でも今の時点では、ダンナは社会的生活を送るのに極端に困難なところはないのです。
フツーのサラリーマンがあまり向いていない性格だというのは確かにありますが、そこそこ自由度のある職場であれば十分対応していけますし、人付き合いもはたから見ると温和にこなしているように見えるのです。
高機能自閉症の人が苦手とする「人の気持ちを察することが難しい」部分が極端に強いわけではなく、ごく常識的に相手の気持ちを推し量ることができています。

ダンナは表面上は社交的だし、むしろ人と接するのが楽しそうに見えるので、私やダンナのお母さん以外は、ダンナが人付き合いが本当は苦手なほうだなどとはほとんど思っていないことでしょう。
それは今までダンナが、人付き合いについて試行錯誤してきてやっと「適当な距離」を保つことができるようになった、ということだったのです。
ただ、ダンナいわく、今でも調子に乗ると相手のことを考えられなくなる…んだそうで、確かにテンションが高いときほど「自分勝手に話を進めてしまう」傾向があります。人の話を途中で遮ってしまったり、冗談の範囲ではありますがズバズバと相手の欠点を言ったり。

以前から「長男の性格はダンナ似だ」と思っていたのですが、実は「高機能自閉症」という特徴が似ていたということだったのかもしれません。
こういう特徴は遺伝することが多いのだそうです。

義母はよく「○○(長男)は△△(ダンナ)の小さい頃にそっくりよ」と言っていて、私だけでなく誰もがうんざりしてしまう長男の世話を「このくらい普通よ」などと言って好んで見てくれたのですが…それはダンナを育てた経験があるからだったのですね。
(義母は昔養護学校の先生をやっていたので…それもあるとは思いますが。)


「高機能自閉症」というのは先天的な脳の障碍で、治ることはない…と知って、私は長男が成長していくうちに「落ち着きのなさ」や「人付き合いの苦手さ」がどの程度フォローできるようになるのだろうかということが少し心配でしたが、今のダンナ、イコール成長した長男の姿と考えてもいいのだろう、ということがわかりちょっと安心しました。


私のダンナももちろん、自分が高機能自閉症であろう(診断を受けたわけではありませんがおそらくそうでしょう)ということは、長男が診断を受けるまで気付かなかったわけですが、自分がそうとわかっていたらもう少し苦労しなくて済んだのかも、と言っていました。

ダンナはある程度成長してからは、なんで自分は他人との距離がうまく取れないのだろうとかなり悩んだそうです。
特に自分が好意を持つ人に対して、距離を詰めすぎて嫌がられてしまうことが多かったそうで、ずいぶんと人付き合いに慎重になった時期があったそうです。

でもその「悩んでいた部分」というのは、高機能自閉症の特徴そのものであったので、自分が
「対人的な能力やものの感じ方について、一般の人とは違う部分があるのだ」
ということが自覚できていれば対処のしようがあったのではないかと。


ですのでダンナは、長男がある程度成長したら、高機能自閉症であることを本人に告知すべきだという意見です。(私もそう思います)
そのほうが本人にとっても、周囲の人にとってもきっと良い結果になるのではないかと思っています。

(まだまだ続きます…)

posted by はなずきん at 09:03 | Comment(0) | 妊娠、出産、育児 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする